山があれば谷があり、いくつもの河川が平野を流れ、囲まれた海にはたくさんの島々が点在する美しい日本の風景。そんな起伏の多い私達の国土には、約70万橋もの橋梁があります。その上を人や車、電車が通り、毎日あたり前に行き来していますが、中には造られてから50年近く経ったものも大変多く、点検や補修、新しい橋の架け替えなど、老朽化への対応が必要になっています。また、都市計画による道路の整備や、河川の拡張にともない、新しく建設が予定されている橋も増えています。社会インフラは、100年先の未来に残す社会資本。地震や土砂災害など自然の脅威に打ち勝ち、そして環境に配慮したものでなければいけません。建設コンサルタントとしての私の仕事は、現地調査から始まります。河川の測量、基礎となる地面の土質調査、周辺の環境調査などを行なっていくのですが、市街地であれば家屋や水道・ガス管など埋設物の位置、山間部であれば動植物の生態など、河川をせき止める場合は漁業にも影響しますから、アユの産卵時期を調査することもあります。現地調査が終わると、橋梁の設計条件を決めます。幹線道路や生活道路など場所によって交通量も変わるので、道路の幅、車線の本数、歩道の設置など完成した姿をイメージしながら橋梁のディテールを決めていきます。そして最適な橋梁構造を考え、施工に必要な材料を計算するのですが、考慮すべき条件は多岐にわたります。例えば、橋を支える橋脚の太さや設置する位置は河川の幅や深さによって変わってきますし、地震に対しても、どんな方向から揺れても万全な構造にしておかなければなりません。様々な工法を鑑定し、最も条件に合ったものを選択するのですが、土木技術は常に進化しており、新しい工法も次々と生み出されています。それまで常識だと思い込んでいた方法が、時代とともに非常識に変わっていることも珍しくありません。重要なのは、現状に合っているかどうかということ。新しく開発された工法でも、どこかに欠点はないか自分 2(31歳)高校時代はバスケット部に所属。体を動かすことが好きで、休日は子供と自転車で汗を流す。はまだ やすゆき出身校:内灘町立内灘中学校、星稜高等学校株式会社国土開発センター 設計事業部 設計1部リーダー技術士(建設部門)、1級土木施工管理技士、コンクリート診断士、コンクリート技士、潜水士、道路橋点検士My Quality Time設計するのは国土の未来設計するのは国土の未来100年先まで渡れる橋を創りたい100年先まで渡れる橋を創りたい濱田康行さん橋梁設計建設コンサルタント山梨大学工学部 土木環境工学科 卒業
元のページ ../index.html#12