石川県版 Vol.32
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ゼロからのスタート自信は時間をかけて磨かれるゼロからつくり上げた自信は、自分の道を切りひらく力となる西にしみち道 雄ゆうや也さん*2被災地の復興現場などで活躍する大型ブルドーザーやパワーショベル。私が造っている金属部品は、その強大なパワーを生み出す油ゆつ圧システムに組み込まれます。建設機械の性能を左右する重要部品を任されているという責任が、自分を10年間で大きく成長させてくれました。高校の職場体験でこの会社を訪れたことはありましたが、普通科を卒業した私は、「マ1シニングセンタ」や「NC旋せん盤」という工作機械を目の前にして、気きおく後れしてしまいました。今では目をつむっていても手が勝手に動きますが、最初は一つの工こい程を覚えるのも人一倍時間がかかり、正しく加工できたか検査するにも測定具の使い方がおぼつかなくて、1個仕上げるだけで日が暮れてしまいました(笑)。仕事の向き不向きなんて考える余裕もなく、「早く出来るようになりたい」という一心でした。*あんば切きりこ粉(切削屑くず)の色や形から機械の状うて技能を身につけるのに苦労した分、気づいたこともたくさんあります。その一つが「忍にんい耐たすること」の大切さ。失敗した時や怒られた時は、腹を立てる前に自分を分析してみる。すると心が素直になり、自分の成長にとって大きなプラスになります。「失敗の許されない仕事だから、お前にやってもらいたい」。上司からそう言われた時は嬉うれしかったですね。これまでに培つちかった自分の感覚を信じ、素材を切せっく削さする音や匂い、排出される態を見みきわ極め、全神経を集中して一発勝負の仕事に挑いどみました。私にとってのモチベーションは、高校時代の同級生たち。社会に出てそれぞれの道で試練に立ち向かっていることをお互い知っています。自分の選んだ道で光り輝くことが仲間との約束。自分の力で身を立て、家庭を持つことが私の夢です。自分を最後まで信じてくれた先生高3の時、新しいクラスになじめなかった自分は、「友達も少ないし目立たないけど、高校最後の体育祭で団長をやりたい」 と立候補しました。クラスの人気者に負け、あえなく落選しましたが、その時担任だったN先生は、「感動したぞ!」と大きな体を震わせ涙を流してくれました。心配ばかりかけていたのそってくれ、この会に、卒業まで自分に寄り添社にも推薦してくれました。*1・・・プログラミングによって自動で工具を交換し、多様な加工を行う工作機械 *2・・・高速で回転する材料に刃物をあてることで切削加工を行うコンピュータ制御の工作機械 建設機械部品、一般産業機械部品、農業機械部品などの製造。部品図作成から板金、機械加工、表面処理、組立までの一貫生産を行っています。株式会社小松高田製作所〒923-8540 小松市工業団地1丁目66番地Tel. 0761-24-2580URL https://www.komataka.co.jp ■代 表 者 代表取締役社長 藤井 公祥■設  立 昭和27年 ■従業員数 141名 (28歳)出身校:小松市立松陽中学校、小松大谷高等学校15建設機械部品加工株式会社小松高田製作所製造部製造第2課 ハウジング・シャフト班

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