石川県版 Vol.33
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33oV9102ETON.lえ 7れんびいとARUKAS「縁の下の力持ち」思いやりの連れさ鎖ら、およそ5万杯分。ローラはまさに、機械産業の“コメ”なのです。お米を炊くときは水を入れて研ぎますが、金属で造られているローラも研ぐことで、決められた寸法に加工しています。さすがに手で研ぐことはできないので、「心しんなし研けん削さく盤ばん」というコンピュータ制せいょ御ぎの特殊な機械を使って研ぎます。小さな針状の材料が水と一緒に細いチューブを通って、次々と機械の中に入っていく様子は美しいですが、ローラの形状によっては時々、交通渋滞をおこすのが玉にキズ。それを直してやるのは人間の仕事なので、高校で空手部に入ったのですが、高2の時に腰を痛め、練習できなくなりました。そしてコーチから「選手として活躍することだけが部活じゃない。縁の下の力持ちとして、みんなのサポートに回る仕事にも素晴らしい世界があるぞ」と言われ、マネージャーになりました。3年生になってからは、新しく入部してきた車いすの後輩と二人で部員たちの世話係をしていたのですが、「車いす空手」というのがあることを聞いて彼は練習を始め、その後、世界チャンピオンにまで上り詰めました。とげるにしても、下積大きなことを成みを重ねてこその結果。「縁の下の力持ち」になることも、自分にとって大きな実になることを恩師である空手部のコーチから訓ていただきました。スムーズに流れるようチューブの状態に気を配ります。僕が入社した年に完成したこの新しい工場は、明るくて快適に仕事ができます。最初は知識も技術も先輩には遠く及およばず、早く追いつきたいと必死でしたが、今年で4年目を迎え、気持ちにも少し余裕が出てきました。仕事は工夫することで楽しくなり、先を読んで準備をすればラクになります。ここでは8台の研削盤をなし遂おし分のことだけではなく、後あに入る人のことも考え、機械の砥とし石を前もって交換しておいたり、錆さ止めの液を補充したり、材料を入れる箱を用意しておくなどプラスアルファの心がけが、より確かな品質と作業の効率に大きく影響します。翌日、自分が入った時に、同じように準備がしてあると、とてもありがたく、思いやりがつながっているようで嬉うしくなります。針状ローラの工こうい程てには、まだまだやったことのない仕事が数多くあります。きっとそこにも、違う楽しさが隠れているはずです。ベアリング組込用各種ローラ、精密ピン・シャフト類の製造。高精度CNC心なし研削盤、低騒音型ベーンポンプ等の開発・設計・製造。東振グループ  株式会社東振精機  株式会社東振テクニカル 株式会社東振〒923-1121 能美市寺井町ハ18番地Tel. 0761-58-5222 URL http://www.tohshin-inc.co.jp ■代 表 者 代表取締役 中村 俊介 ■設  立 昭和31年  ■従業員数 631名  私たちが造るローラにはいろんな種類やサイズがあり、街中を走るほとんどの車に使われています。この作業台は使いやすさを考えて自分がデザインしました。みんなからも仕事がはかどると好評です。24時間交代で操作していますが、自

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