石川県版 Vol.36
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北きたの野 宏ひろゆき幸さん初めての試練面倒だからこそ楽しいバス釣りも仕事も続ける理由は食べるためではなく、楽しみたいから荒地を突き進むブルドーザーの振動を抑おえる足回りの構こう造部品など、僕たちが造っている建設機械の部品は一つ一つが大きく、重じ厚な金属を加工して造り上げます。材料の表面を削ける、穴を彫ほる、ネジの溝みを切るなど何種類もの工こい程をプログラミングされた通りに自動で行うのが、‘マシニングセンタ’というコンピュータ制せょ御の工作機械。初めてその機械を見た時は、「絶対、自分には扱あかえない」と逃げたくなりました。それまで僕は、好きな釣り以外、勉強することを避さけて生きてきましたから、未知の仕事を覚えることは、自分にとって大きな試練でした。積極的にメモを取り、覚えようとするも、失敗を繰り返して班長から怒られる始末。しかし、楽天的な性格が幸いし、毎日仕事を終えて遊びに行くのをモチベーションに(笑)、前向きに試練を乗り越えてきました。うぞゅうこうつぞずさおいぎ飽あき性しょうの自分が10年以上続いているうてのが、バス釣りとこの仕事。この二つに共通するのは、「考えて工夫することが楽しい」ということです。 釣りはブラックバスの気持ちになって投げ入れるポイントを探り、ルアーを選び、竿さの動かし方やリールを巻くスピードを変えます。釣れない時は理由を考え、工夫することで釣ちょか果うが変わるのが面白くてたまりません。機械加工も同じで、加工寸法の微妙な変化や切せっく削さ面の粗あらさに気づき、摩まもう耗した工こうぐ具を交換し、材料の歪ゆがみや硬さの違いを見極め、プログラミングの設定を調整する。そうやって公差100分の5㎜以内の寸法精度にピッタリはまった時は、大物を釣り上げた時みたいに興奮します。遊びも仕事も、面倒くさいと避けていては楽しさがわかりません。僕がここに気づくことができたからです。の10年で大きく成長できた理由は、そ社会人として育ててくれた恩師今では何でも話せる班長ですが、新入社員の頃は、いつも怒られてばかりいて、絶対に親しくなれない相手だと思っていました。でも、そんな自分を見捨てることなく、ずっと面倒をみてくれたのも班長。会社を休んだ時も、雪で出社が遅れた時もいつも心配して電話をくれました。仕事に対する向き合い方を教えてくれ、自分に自信を与えてくれた班長は僕の恩師です。建設機械部品、一般産業機械部品、農業機械部品などの製造。部品図作成から板金、機械加工、表面処理、組立までの一貫生産を行っています。株式会社小松高田製作所〒923-8540 小松市工業団地1丁目66番地Tel. 0761-24-2580URL https://www.komataka.co.jp ■代 表 者 代表取締役社長 藤井 公祥■設  立 昭和27年■従業員数 141名   (29歳)出身校:小松市立南部中学校、石川県立小松北高等学校18株式会社小松高田製作所製造部 製造第2課 第2MC班建設機械部品加工

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