石川県版 Vol.36
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■七尾支社 中山 旺久利さん自然を味方にする技術んじょう頑が丈なコンクリートの基礎をつく初めてその責任者に選ばれたのが自分でした。置するには、基礎づくりが重要。巨大地震にも耐たえられるよう、地面を約3m掘くく削し、鉄てん筋を組んでる工事から始まり、1年近くかけて完成させました。私の趣味はバイク。青空の下、送電線を見上げながらツーリングするのは最高の気分です。活かき気づいた新しい街を走り抜ける時、自分が造り上げた設備が稼かう働し、電気が安全に届いていると思うと、エンジン音もより心こち地よく響きます。総重量が数トンになる設備を設っさっきこどっ 7 きゅうりょう僕の目の前に並んだソーラーパネルは、全部で4、815枚。燦さん燦と降り注ぐ太陽の光を受けとめ、パネルに組み込まれた太陽電池によって電気エネルギーに変換します。西側の丘陵に見える真白な風車は、国内最大級、直径92mのローター(羽根)を備えた9基の風力発電機。太陽と風の自然エネルギーから、合わせて1万世帯以上の年間使用電力をまかなう電気をつくり出します。CO2削減に大きな役割を果はたす再生可能エネルギーですが、気まぐれな天候に左右されてしまう発電システムを最大限活いかすためには、365日、常に最良のコンディションにしておくことが重要です。発電した電気を安全かつ効率的に送るために、直流から交流に変換するインバーターや変圧器をはじめ、電流・電圧の急激な変化を感知して信号を送るリレーや、万一の時に電気を遮断するブレーカー(遮断器)など多くの装置があります。異常が発生してからでは遅いため、それらんさを定期的に点検し、正常に動作するかテストを行い、部品の交換が必要か判断します。中でも特に重要なのは遮断器。これを分解して清掃し、元通り組み上げて正常に動かすことができなければ技術者と名乗ることはできません。高度な知識と合わせ、遮断器の構造を細部にわたって熟知していることが求められます。高校時代に、電気工事士、消防設備士、無線技術士、危険物取扱者など電気に関わる資格をいくつも取得し、「ジュニアマイスター」の表彰を受けましたが、電気の世界はすそ野が広く、真の技術者になるにはまだまだ勉強が必要です。志賀町で生まれ育った僕は、地元に様々な発電所があることは知っていましたが、その電気を届けるためにいろんな人が関わっていることを、この仕事に就ついて気づかされました。入社して5年経ち、現場の責任者を任された今、自分に与えられた使命の大きさをこれまで以上に感じています。あたり前の日常を守るために、あたり前のことをやり続けることが自分の誇り。太陽光パネルのように全身で知識を吸収し、もっと成長していきたいと思います。63oV1202ETON.lARUKAS水力発電設備、受変電設備の計画・設計・施工および保守・設備管理、小水力発電設備のコンサルティング、太陽光・風力発電設備の保守・管理など。北陸電力グループ。北電テクノサービス株式会社[ 本社 ] 〒930-0858 富山県富山市牛島町13番15号百川ビル6階 Tel.076-442-4818[ 金沢支店 ] 〒921-8013 金沢市新神田4-15-1 Tel. 076-291-4875URL http://www.hts.co.jp■代 表 者 代表取締役社長 高松 正 ■創  業 昭和57年  ■従業員数 420名  変電所は電気のプラットホーム。送電線は行先ごとに管理され、安全を確保する設備と繋がっています。一番手前が、私が工事を担当した断路器と遮断器です。太陽光パネルは、カラスが上空から石を落として割られることもあるため、一枚一枚目視で確認します。

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