石川県版 Vol.38
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い 83oV2202ETON.lARUKASき槽そうから出てきたアクスルシャフトは、1本1本機能をプラスされ、本物の輝きを放つのです。 めっき処理は部品によって方法が異なり、僕は8年以上にわたって、いろんなめっき処理を経験してきました。どの仕事もいかに段取り良くスピードをあげ、人よりも多く仕事を処理できるかが自分との勝負。頼まれて別のラインに入った場合でもやり方を工夫し、決して仕事を残さないのが自分のポリシーです。それを守ってきた自信が何層にも重なって自分を強くしたと思っています。だからこの自信は、決してこの身から剥がれることはありません。私は視力が両目とも2.0。シルバーに光る、めっき処理された製品が現場から大量に運ばれてくると、決められた数量を抜き取り、一つ一つに視線を這はわせます。わずかなキズやへこみを発見するには視力がいいのに越したことはありませんが、もっと大切なのは集中力。1日千個チェックしても見つからないことも普通にありますが、「これも、次も、その次も、もしかして不良かも…」という疑いの目で検査します。できるなら出て欲しくないのが本音。見つけた時は、ババ抜きのジョーカーを引いたときのような感覚と、間違い探しの答えが見つかったときの嬉うれしさが入り混ざって、複雑な心境になります。しかし、そんなことより大事なのは、一刻も早く現場に連絡すること。これ以上不良を出さないよう、機械を止めなければいけません。上司に確認してもらって、すぐ現物を持って製造現場に急ぎ、「こんなのが出ました!」と製造責任者に報告します。すごいのは、不良の状態を見て原因をつきとめ、すぐに対応する製造現場のベテラン技術者。それ以降は、同じ不良が見つからなくなるから驚おどろきです。毎日、あっという間に定てじ時のチャイムが鳴って一日が終わります。「今日も楽しかった」と感じるのは、心を無にして仕事に集中できたから。毎日、地じみち道な作業を繰り返すわけですが、私はそれが嫌いではありません。小さい時は手しゅい芸げが好きだったし、中学、高校で頑張っていた弓き道も、一つの的に向かって、何度も何度も矢を射いることを繰り返しました。高校2年生の時に地区大会で優勝し、北信越大会にも出場できたのは、同じ練習をひたすら行うことが苦ではなかったからです。検査も、最初の1個から最後の1個まで、集中力を切らすことなく、同じリズムで視みていかないといけません。どんな時でも平常心を保つことを、私は弓道で養いました。最初は良品と不良品の見分けがつかず、何度も先輩に聞きました。それでも嫌な顔一つせずに繰り返し、わかるまで教えて下さったことに感謝しています。いつか私に後輩がでゅうどうきたら自分も同じようにしてあげたいと思います。■梱包部 菅原 玲菜さん楽しさはエンドレスめっきに関わる技術は幅広く、これまで身につけた技術と知識はまだほんの一部にすぎません。(アクスルシャフトのめっきライン)地道な仕事は得意ですが、接客や電話を取ることは苦手。そんな自分に合っているから毎日充実しています。めっき製品の加工(亜鉛、ニッケル、ニッケルクロム)および、各種化成処理(ボンデ処理、TBC-3コーティング処理、アルミ化成処理)など表面処理加工。株式会社ツキボシP&P〒929-0124 能美市浜町タ141番地Tel. 0761-55-1122 URL https://www.tsukiboshi-pp.jp ■代 表 者 代表取締役社長 打本 渉 ■設   立 昭和19年  ■従業員数 100名  11

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