清しみず水 洸こうき旗さん僕の部屋に所せましと置いてあるのは、小学校の頃から作ってきたガンダムのプラモデル。すでに100体を超え、箱のまま手をつけていないものもあります。そんな趣味が高こじて工業高校の機械科に進んだのですが、僕の心をわしづかみにしたのは吹奏楽部のマーチングバンドでした。お揃そいのブルーのコスチュームを着て僕はトランペットを吹き、仲間と動きを合わせ、演奏しながら機きん敏にフォーメーションを変えるマーチングは楽しくて、観客を沸わかせました。高校の3年間を通して、そこに全エネルギーを集中しましたから、勉強や実習は二の次。初めて溶よつ接の実習をした時もうまくできず、興味を持てそうに思いませんでした。そんな僕が、高校を卒業した2年後、この会社を代表して溶接の競技大会に出ることになるなんて、きっと誰も想像していなかったと思います。びろううせ卓たく越えつ技ぎの能うし者ゃの先生にも指導していた入社して、配属先が「溶接課」だと知らされた時は、まさかと思いましたが、仕事として取り組むからにはいい加減なものは造れません。特に建設機械のカバーは美観に関わる部分。お客様に最高のパフォーマンスを見せることに美学を感じる僕は、どうすればきれいな溶接ができるのか、それだけを考えました。溶接は金属を熱で溶かして材料をくっつける技術。溶け込み方やスピードが最もベストな状態になるよう溶接機の電流・電圧を調整し、そこに自分の手の動きを合わせることで、きれいで高精度な溶接ができます。だき、いろんな条件を試し、自分の腕に感覚を覚え込ませました。社内の溶接競技で思いがけず2位となり、次は全国大会の地区予選。たぶん最年少ですが、持てる力を全て出し切りたいと思います。溶接は考えるから面白い仕事として溶接をするようになって、そう感じるようになりました。「どうしたらラクにきれいにできるか?」常に自分で考え、やり方を工夫し、イメージ通りに出来ると技術が身につき、楽しくなります。この会社には設備が整った「溶接道場」があり、ほとんど未経験者だった僕もここで何度も練習してスキルを磨きました。予測不可能な展開まさかのプロローグ趣味は楽しいからトコトンやれる仕事はトコトンやってこそ楽しくなる(20歳)20建設機械・鉱山機械のエンジンフード、サイドカバーなど外装部品及び燃料タンク、ヘッドカバー、運転席ユニットなどの製造。株式会社小松電業所〒923-8588 小松市国府台5-20Tel. 0761-47-8888URL https://www.komatsudengyo.com ■代 表 者 代表取締役社長 塚林 幸作■創 業 昭和23年 ■従業員数 434名 出身校:白山市立笠間中学校、石川県立小松工業高等学校株式会社小松電業所製造部 溶接課建設機械部品溶接
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