石川県版 Vol.38
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■金沢支店 中井 捷司さん回路という名の迷路を解く83oV2202ETON.lARUKAS気が支えているのです。私は昨年、この浄水場の受変電設備の改修プロジェクトに、現場責任者として参加しました。老ろう朽きゅ化うかした設備を撤てっょ去きするのは初めての経験。電気以外の知識が必要で、多くの上司から知恵を授かり、電力の供給を止めずに2系統ある設備の撤去を1年がかりで無事に成し遂とげました。若い時は必死で感じませんでしたが、日常の仕事も、新たに挑戦する仕事も、自分たちの努力のすべてが地域の人々の豊かな生活につながっています。そのことに気づくと、見慣れた山々の景色がより美しく感じられます。安あんい泰た」。そんな現実主義な考えで市就しゅう職しょくを控え、相談室に行った時、「電気、ガス、水道などライフラインに直結した仕事に就つけば将来立工業に入学した僕は、サッカーに明け暮れながらも、しっかり電気工事士の資格を取りました。思いがけずかかってきたのが、この会社の職場見学の電話。先生に勧すすめられるまま参加したのですが、車に乗ってどんどん市街を離れ、着いた現場は想像のつかない設備が立ち並ぶ、大きな変電所でした。説明は難しくて理解できませんでしたが、ライフラインを守る責任ある仕事だと肌で感じ、「これこそ、自分が求めていた仕事だ!」と確信しました。それから12年、私は石川県内に何十か所もある全ての変電所で仕事をしてきました。変電所は発電所から送られてきた電気を、電圧を調整して地域にくまなく送電する中継地点。ライフラインの要となる場所です。万一事故が発生しても、検知して送電を遮断し、電気系統を保護す筋すじを理解していないと、異常が見つ辿たどってくれる先輩たちのおかげで、るシステムとつながっていて、24時間365日、常に監視しています。僕の担当は、あらゆる事態を想定し、システムがいつでも正常に作動するよう定期検査を実施すること。送電線が何らかの原因で短たく絡(ショート)したり、切れて地面に接触する地ちらく絡が発生した場合の電気信号を配電盤に送り、回路の動作をチェックします。配電盤の内部は、様々な電子機器が細密に配線されていて、回路の全容をいろんな図記号で記しした「シーケンス図」に照らし合わせて検査を行います。それはまさに回路という名の迷路。いろんな条件が組み合わさって読み解くのが大変ですが、道みかった時に原因を特定することができません。最初は知らないことだらけで不安でしたが、同じことを何度でも教えてくれ、ゴールまで一緒に図面がどんどん読めるようになって楽しくなりました。管理する相手は見えない電気。わからないことを放置していたら、責任を果たすことができません。このんらるち 7 検査は自分自身に対する試験でもあるのです。水力発電設備、受変電設備の計画・設計・施工および保守・設備管理、小水力発電設備のコンサルティング、太陽光・風力発電設備の保守・管理など。北陸電力グループ。北電テクノサービス株式会社[ 本社 ] 〒930-0858 富山県富山市牛島町13番15号百川ビル6階 Tel.076-442-4818[ 金沢支店 ] 〒921-8013 金沢市新神田4-15-1 Tel. 076-291-4875URL https://hts.co.jp■代 表 者 代表取締役社長 高松 正 ■創  業 昭和57年  ■従業員数 422名  水力発電所のメンテナンスには、電気だけでなく機械工学や流体力学の知識も必要。現場を経験しながら理解していきます。極力、停電させない。もし停電しても迅速に復旧させることが、地域の電力供給を守る私たちの使命です。

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