りょ技ぎう量のプラスになります。能登地区私のスマホの中には、お城やお寺の“屋根”の写真がたくさん保存されています。家族で旅行に行くときは、お城やお寺に立ち寄り、屋根を眺なめるのが自分の愉たしみ。家族からは「いつまで見とるの?」と怪けん訝そうな顔をされますが、時間が許せばずっと見ていたいのが本音です。以前、お寺の屋根を葺ふく仕事をした時、勉強のつもりで見学に行ったのがきっかけで、気がついたら趣味になっていました(笑)。お城や神社仏閣の瓦屋根には、一流の瓦かぶ葺き職人の技が活きており、見るだけでもには昔ながらの伝統的な屋根がまだまだ残っているので、参考にできるところがたくさんあります。子どもの頃は野球ひと筋。その時は空を見上げてボールを追っていましたが、現在は瓦葺き職人として上を見上げ、理想を追いかけています。わら瓦葺き職人になって約17年になりますが、最初の10年間は別の瓦屋さんで修業してきました。この仕事は資格がなくてもできますが、この会社では1級技能士の国家資格を取ることが職人としての条件。勉強はあまり得意ではなかったので不安がありましたが、不思議なことに好きなことには集中できて、学科試験も一発で合格しました。職人としての経験はあっても、職場が変わればまた一から勉強。使う瓦も違えば、段取りの仕方、納め方も異なります。今の親おやた方かの下について学んだのは仕事の丁ていい寧ねさ。それまで自分も意識して仕事をしてきましたが、細部にわたって手てま間を惜おしまないその姿勢にはおよびません。職人は学ぶ意欲がなくなったら成長は止まります。いい仕事をしてあたり前。誇らず、驕らず、常に謙虚に自分の仕事を見つめていきたいと思います。努力に勝るものはないこれまでの自分をふり返ると、ただ好きなことをしてきただけで、努力してきたという実感がありません。そんな反省から今になって努力しようと頑張っています。努力す瞰してみるにはまず、謙虚な心で自分を俯ることが大切。何が足りないか自覚できた時、やることが見えてきます。それを一つひとつ追いかけていけば目標にたどり着けるはずです。げのがごこんき屋根には夢がある常に上を向いて生きていく誇ほらず、驕おらず、謙けょ虚に仕事をずっと好きでいたい本ほんだ多 祐ゆうき樹さん17ふかん瓦の製造工場から始まった、瓦のことを知り尽くしている屋根工事専門の技能集団。若い社員が多く、厚生労働大臣認定のかわらぶき 1 級技能士は 20名います。杉本瓦工業株式会社〒925-0004 羽咋市一ノ宮町レ100番地Tel. 0767-22-0625URL https://sugimotokawarakougyou.jp ■代 表 者 代表取締役社長 杉本 孝司■創 業 昭和8年 ■従業員数 35名 出身校:七尾市立能登香島中学校、鵬学園高等学校(37歳)瓦葺き職人杉本瓦工業株式会社工事部 かわらぶき1級技能士
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