石川県版 Vol.42
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い、自分の手で加工するところ。全く未経験ながら、教え上手な先輩のおかげで自分が上じ達していくのがわかり、良い“作品”を仕上げたいという気持ちで取り組んできました。何百トンもの圧力がかかるプレス機械や高層ビルを支える鉄骨は、重厚な鋼こい材を接合して頑が丈に造り上げます。大物になると機械による溶接が難しいため、人の手で行うハイレベルな技能が必要となります。厚さにわたって溶接する場合は、2人がかりで1~2週間かけて行い、外観の美しさはもちろん、溶接内部にも私は、どんな姿勢でも、片手でもキレイに高い精度で溶接できるよう腕を磨き、建築鉄骨の溶接に関する難度の高い資格に合格しましたが、自分ではまだ納得はしていません。が20センチもある鋼材を6メートルうせ溶よつ接が面おろ白いのは、機械加工と違っか欠けん陥がない高い品質で仕上げます。もしょうたつうざんじょう自分が溶接に関わったプレス機械は、国内外の自動車工場で使われており、年数が経って機械の補修が必要になった場合は海外にも出向きます。アメリカのデトロイトに初めて出張したのが22歳の頃。それからタイ、中国、インドへも出張しました。たとえ小さなキズの補修であっても、溶接による熱で金属が歪ゆがむと機械の精度に影響してしまいます。正しい工法についての知識と、十分な技量がなければ責任を果はたすことができないため、技術者として、はるばる海を渡って行くのです。言葉はわからなくても、溶接は世界共通の技術。体で覚えた技能は、世界中どこでも必要とされることを知り、腕一本で生きていける確信を持ちました。高度な溶接技術を習得するため、海外から来ている社員もいます。私がこれまでつ培ちかったものを彼らにも伝えていきたいと思います。厳しかった恩師へ感謝中学・高校時代はバレーボールひと筋セッターとして県の選抜選手にも選ばれました。高校は土木科だったので、溶接は全く未経験でしたが、長年この仕事を続けてきて、最高水準の溶接技能を身につけることができたのは、鬼のようにコワかったコーチのおかげ(笑)。厳しい練習に耐えてきた経験が、決してあきらめない精神力を育ててくれたと感謝しています。ょく。ら機械に勝る手仕事の極きち致技能が自分のパスポート一つを極める覚悟があれば腕一本で未来を切り拓ひける産業機械、建設機械、建材向け鋼材の溶断、溶接、加工・販売、ビルトH形鋼の販売。石川県能美市、富山県滑川市、新潟県柏崎市に工場があるJFE商事グループの一員。北陸スチール株式会社〒929-0125 能美市道林町へ106-20Tel. 0761-55-1383URL https://www.h-steel.co.jp ■代 表 者 代表取締役社長 大村 義高■設  立 平成12年  ■従業員数 95名 出身校:能美市立根上中学校、石川県立小松工業高等学校(33歳)すじ北陸スチール株式会社石川製造部 石川溶接グループ リーダーAW(建築鉄骨溶接技量)検定資格鋼材加工接溶H. Mさん

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