石川県版 Vol.43
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体たい(ケース)などを見ると、曲げてあ私は“曲がったもの”が大好き。ロッカーやスチール棚、パソコンの筐る部分につい目がいってしまいます。私たちが造っている「プレスブレーキ」は、金属の板をいろんな角度で正確に曲げることができる機械。きれいな曲げ加工がしてある板ばん金製品を見ると、「自分たちの機械が使われているのかな」と勝手に思ってしまうのです。曲げ加工の精度を決めるのはプレスブレーキの金かた型ですが、それを取り付けるための部品にも高い精度が求められます。気温の違いで伸び縮みする金属の特性を計算に入れ、千分の1ミリという限りなくゼロに近い加工寸法の誤差を補ほい正するのは、人間の能力への挑戦。これまで、産業機械部品の切せく削加工や研けま磨加工に携たさわってきた経験値と、小さい頃にピアノを習っていた指先の感覚で、金属表面の微びう妙な精度の違いがわかるようになりました。んきながんずせ みょきょうっさ高校は電気科でしたから、機械加工についての知識はほとんどゼロ。そんな自分を育ててくれたのは、マザーマシン(母なる機械)と呼ばれる優すぐれた工作機械と、それを知り尽つくしている父なる上司たちのおかげです。機械加工が面おもろ白しいのは、難しい加工に挑戦することで、新しい知恵が生まれること。*治じぐ具を工夫したり、工こうぐ具を選定したり、加工プログラムを考えたり、創造的な仕事に心が躍おどります。常に驚おどろかされるのは、上司たちの妥だきう協ょしない精神。いかに速く、確実に、簡単にできるか、とことん追求し改良を重ね続けるところに凄すごみを感じます。その後ろ姿に刺激され、自分も負けじとノウハウを吸収し、経験年数で及およばないところは資格の勉強でお補ぎなってきました。現在挑戦しているのは、機械加工の最上級資格である「特急技能士」。これを社内最年少で取得することを目指しています。まず覚えることが大切私の場合、資格の勉強で重要なのは暗記力だと思います。最初はわからないことが多くても、回答を頭にたたき込み、後から参考書を読むことで理解力が高まります。試験に出なかったとしても、覚えた知識は決して駄にはなりません。勉強に限らず、先輩かむだ無ら聞いたこともしっかり覚えておけば、後から役に立つことがきっとあります。ょくこが憧あれたのは、曲がるほど機械加工の極きち致能力に挑戦する職場前のめりなエンジニアたち*治具 …工作物を機械に固定し、加工や検査を効率的に行なうための補助装置県内有数の加工設備を駆使して、産業・建設・環境機械や周辺装置の開発から設計、加工、組立、販売までを行なっています。出身校:能美市立辰口中学校、石川県立小松工業高等学校株式会社タガミ・イーエクス〒923-1101 能美市粟生町西2-2Tel. 0761-57-3525URL https://www.tagamiex.co.jp ■代 表 者 代表取締役社長 田上 好裕■創  業  昭和40年 ■従業員数 257名 (31歳)機械部品加工株式会社 タガミ・イーエクス製造部 製造課 小杉工場 1級機械加工技能士(マシニングセンタ作業)T. T さん

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