石川県版 Vol.44
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火花散る仕事はカッコいい超音波の眼めで診みる本当の価値は“なかみ”で決まるそれを実じう証するのが自分の鉄学ほうしゃせんとうかつみつどょぐたんしょっこ非破壊試験技術者「非破壊試験」は金属材料をはじめ、様々な素材の表面や内部に存在する欠陥を、破射線透過試験することなく検出します。放(RT)、超音波探傷試験(UT)、磁気探傷試験途によって試験(PT)等があり、対象物や用方法が異なります。ビルの構造材として多くの鉄骨が使われるので、建設鉄骨に特化した超音波探傷検査の資格もあります。小さい頃、近所にある町工場の前を通ると、花火のような閃せんう光こを放はなちながら何かつくっていて、「カッコいいな」と思って見ていました。溶接を初めて体験したのは、工業高校の実習。金属板をぴったり接せつう合ごできるのが不思議で、電気の設定条件や腕の動かし方で仕上がりが良くも悪くもなるのが面おもし白く、夢中になりました。この会社に見学に訪れた時、プロの技術に息をのみ、弟で子し入りするつもりで入社しました。先輩から「センスがいい」と褒ほめられると嬉うれしくて、さらにモチベーションが上がりました。溶接は外観の美しさだけでなく、中身はもっと大事。見えないところまで品質を追求するのがこの会社の哲学だから、高度な検査技術が必要となります。僕がその大たいく役やを担になうようになって5年。手に持つのは溶接トーチではなく超音波センサーですが、心で火花を散らして検査に集中しています。i-Fなど、テレビやラジオの電波、W目に見えなくても生活に役立っているものはたくさんあります。電波は金属を反射してしまいますが、「超音波」は金属や水の中でも伝わるので、魚ぎん群探知機やおなかの赤ちゃんを検査する装置にも利用されています。 僕が仕事で使っている「超音波探う傷器」は、聴ちょ診うし器んきのように金属の表面をなぞると、内部の状態が波形となって映し出され、きず(欠けっん陥か)があれば、その大きさや位置まで教えてくれます。人間は骨こ密度が低下すると骨折しやすくなるように、建物を支える鉄てつ骨や建設機械のフレームも同じで、部材をつなぎ合わせている溶ようつ接せ部分は決められた強度が必要です。品質を守ることが僕の使命なので、生命を預かるドクターのような気持ちで検査します。見た目はどんなにきれいでも、超音波の眼は厳しく、たった1ミリの内部のきずも見逃しません。いiはょしっ ようとかい壊出身校:能美市立寺井中学校、石川県立小松工業高等学校北陸スチール株式会社品質保証部 建築鉄骨超音波検査技術者・超音波探傷試験レベル1(23歳)北陸スチール株式会社〒929-0125 能美市道林町へ106-20Tel. 0761-55-1383URL https://www.h-steel.co.jp ■代 表 者 代表取締役社長 大村 義高■設  立 平成12年 ■従業員数 83名 産業機械、建設機械、建材向け鋼材の溶断、溶接、加工・販売、ビルトH形鋼の販売。石川県能美市、富山県滑川市、新潟県柏崎市に工場があるJFE商事グループの一員。鋼材加工品質保証D. Rさん

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