【統合版】石川県版Vol.45&PROCEED Vol.09
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思いやりのバトンを渡すI・S さんこころくひと目見て、不ふぐ具合の原因を推すいく測そできることにびっくりします。担当しています。肉にくん眼がでは見分けがつかないので、測そく定てい器きを使って千分の一ミリ単位で違いを判断します。ローラーは、その大きさも形も様々。まだ経験の浅い私は、測定しやすい大きめのサイズを任せてもらっていますが、時々失敗してしまい、自信を持てるようになるにはもう少し時間がかかりそうです。投てきの練習は孤独で寂さびしかったですが、職場には優しく教えてくれる先輩たちが周りにたくさんいるので不安はありません。2年目に入り、現在は寸法検査を工業高校で機械加工の実習をしましたが、金属の切せっく削さ加工が中心で、“研けんく削さ”加工は入社して初めて経験しました。研削で使うのは、刃物ではなく砥といし石。ローラーは円えんう筒とや円すいなど丸い形状をしているので、包丁みたいに平らなものを砥とぐのとは訳が違います。ローラーの研削に使用するのは「心しんなし研削盤」。この名前を聞いてわかる人は、きっと少ないと思います。僕は高校時代にこの機械を造っているグループ会社でインターンシップをした時から知っていましたが、僕が一番惹ひかれたのは、この会社の人たちが友達のように接してくれたことでした。製造現場では、3人で交代しながら担当の生産ラインを24時間動かしていきます。研削盤は砥石が命。使い続けると、摩まもう耗して精せいど度が落ちたり、目めづ詰まりしたり欠けたりしてキズなどの原因になるので、そうなる前に必ず交換する必要があります。大切なのは、後に入る人への心ば配り。手てま間を惜おしまず、機械を常にベ力強い走りごこちを早く味わってみたいです。維いじ持されていくのです。お互いに仲ストな状態にしてバトンタッチすれば次の人も安心。手間のかかることを先送りせず、思いやりをつないでいけば自分にも返ってきて、品質が間のことを思い、カバーしあう空気を、僕はインターンシップやデュアルシステム(職場実習)でも感じたんだと思います。絵を描くのが好きで、中学は美術部にいましたが、高校から運動がしたいと思い、少しょ林うり寺んじ拳けん法ぽう部に入りました。少林寺拳法は高校から始める人がほとんどなので、スタートはみんな同じ。当時、団体演えんぶ武では敵なしで、インターハイで全国6位になり、東京で開催された世界大会にも挑戦しました。心なし研削盤も、ほぼ全員が入社して初めて触れる機械なので、みんなゼロからのスタート。一緒に入社した仲間がそれぞれの部署で頑張っています。僕が今、一番楽しみにしているのは、ひとめ惚ぼれした車を手に入れること。その車にも間違いなく、僕たちが造った「東振ローラー」が使われているはずです。友だちとツーリングに出かけ、その滑らかで54.loV5202ETONあい■ ARUKAS小さなローラー1個の不良でも、お客様の生産ラインが止まったり事故につながるかもしれないので、品質を維持するための努力を怠りません。私が検査をしているローラーは、「球面ころ」というタイプ。他に「円筒」「円すい」「針状」「棒状」「中空」があり、サイズもたくさんあります。[株式会社東振テクニカル] 〒923-0061 小松市国府台5丁目1番地1 Tel. 0761-47-4222URL https://www.tohshin-inc.co.jp■代 表 者 代表取締役社長 中村 翔太 ■設  立 昭和31年  ■従業員数 669名  高精度CNC心なし研削盤、低騒音型ベーンポンプの開発・設計・製造。ベアリング組込用各種ローラー、精密ピン・シャフト類の製造。東振グループ[株式会社東振精機]  〒923-1121 能美市寺井町ハ18番地   Tel. 0761-58-5222

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