ものづくり
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白山が故郷のトラック失敗は学びのチャンス学校生活は社会人の予行演習成功に慣れることより失敗から習うことを選びたい家族でドライブに出かけると、子供がオレンジ色のステッカーを貼ったトラックを見つけては、「あれもお父さん造ったの?」と聞いてきたものです。白山市の工場で造られた多種多様なボデー(荷台)を載せて、全国各地へ旅立って行ったトラックは数知れず。一台一台覚えてはいませんが、自分が携たさわったと言っても、たぶんウソにはならないと思います。トラックボデーは、トラックのシ*ャシの上に部屋を造るようなイメージ。運ぶ荷物や使用目的によって様々なタイプがあり、床、側面、天井、扉など各パーツを担当する専門チームが協力し合って完成させます。安全を第一に、作業でやりにくいことや不安に感じていることはないか、現場の声を拾って改善していくのが職長の役目ですが、直接自分の肌で感じたいから、みんなと一緒に汗をかいてものづくりを楽しんでいます。気かたぎ質で「見て覚えろ」というタイプ。入社したての頃は不器用で、誰よりも下へた手くそでした。当時の先輩は職人でも私にとって、ものをつくる仕事はとても楽しく、嫌になった覚えは一度もありません。それは、新しいことを教わること、考えること、人に教えることが好きだからです。早くひとり立ちしたい一心で仕事と向き合い、23歳で指導員になりました。新たな部署に異動して嬉うれしく思うのは、“失敗できるチャンス”があること。従来通りのやり方をすればラクかもしれませんが、それだと進歩もありません。新しいやり方を試し、失敗したときは知恵を絞しぼり、うまくいく方法が見つかったら仲間と共有する。それが私の感じる仕事の楽しさです。はたくさんあります。でもきっと、それが全部なくなると退屈してしまうのかもしれません。出身校:金沢市立額中学校、石川県立鶴来高等学校株式会社トランテックス〒924-8580 白山市徳丸町670番地Tel. 076-274-2805URL https://www.trantechs.co.jp ■代 表 者 代表取締役社長 森 茂■設  立  昭和5年■従業員数 1,049名*シャシ …荷台を載せる車体後方の骨組み部分各種トラックボデー(車体)の開発・設計・製造・販売を一貫して行い、現代の物流システムをサポートしています。(42歳)20年以上働いてきても知らないこと勉強だけではなく、先輩後輩とのつき合い方や、集団生活のルール、苦手なことに対する取り組み方など、学校生活で直面することは社会に出ても同じで、避けては通れません。学校も一つの社会。自分の事だけではなく、周囲に関心を広げ、その中で自分がどうふるまうかを考えて行動することで、社会人になるための練習ができます。ずトラックボデー製造株式会社トランテックス製造部 バン組立課1係 職長K. Rさん

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