人間のカラダには健康管理が必要なように、モノや機械にも手入れが必要だ。うっかり見過ごしてしまえば、大きな事故につながりかねないから、状態の変化にいち早く気づくことが必要だ。しかし、生き物と違って言葉を発しないから、異常を察知するためには、五感をフル動員し、正常な状態とのわずかな違いに意識を集中させ、原因を推測することを習慣化させなければならない。 そうやって、経験を重ねてきた熟練のメカニックは、機械と会話をすることができる。機械の発する音、振動、熱、匂いを通して、相手が何を訴えているのかわかるのである。 モノは使う人の心を映す鏡。大切に使えば、いつまでも元気に働いてくれる。心を込めて、整備をしてやれば、人の心まで元気にできるのだ。 整備・保守の仕事
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