せかいのていきん私は、射水市の新湊南部中学校と射北中学校でALTをしています。私の故郷、フィリピンのネグロス島は美味しい食べ物に恵まれ、のんびりと過ごせる小さな島です。故郷から遠く離れて暮らしていますが、もう一つの故郷を富山で見つけました。休みの日は、クッキーを焼いて楽しんでいます。焼きたての匂いは最高です。私の兄妹たち(ディズニー・シーで) 鮮明に覚えているのは、子供の頃、ホームレスの男性が飲み水を求め、家の玄関にやって来た時のことです。外に座っていた祖父は、彼を家の中に招き入れました。まだ幼かった私は、とても怖かったのを覚えています。祖父は、水と一皿の食べ物を彼に与えたのですが、さらに驚いたのは、その人は私たちが使っているお皿で食べたことでした。そのホームレスの男性が去った後、何で彼を中に入れたのか祖父に問いかけました。祖父は、「困っている人がいて、助けるすべがあるのなら、助けなさい」と私を諭しました。それ以来、この言葉は私の心に響いています。まだ若かった時、人を助けるというのは、友だちにペンを貸したり、お菓子を分けてあげたりすることくらいしか思っていませんでした。年齢を重ね、人を助けるというのはいろんなカタチがあるということに気づきました。友だちが辛いときに慰めてあげたり、支援が必要な時にそばにいてあげたりすることもできるのです。 人生は、予期せぬ困難に出会うことが度々ありますが、家族や先生、友人、または本、映画などから教わったことによって救われることを知りました。これまでに得た訓えが、厳しい時代に指針を与えてくれ、強くなった自分に驚くことさえあるのです。「もし困っている人がいて、助けるすべがあるのなら、助けよ」“If someone is in need and you have the means to help, help.”
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