さくらノート富山県版Vol.14
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41oV8102ETON.lARUKAS■田中 智惟さん電気でつながる自分の遺伝子    理論的に製作が可能と判断できても、実際に試作してみると、電流に異常が発生したり、それを抑おさえようとすると回路に負ふか荷がかかり、熱が発生します。不ふぐ具あ合いの原因を探りながら作り直し、試験を行い、改善していく作業は、長期間にわたる精神力との闘いです。長い月日を経て、ようやくカタログにラインアップされた新製品を手に、ユーザーとなる機械メーカーさんを訪ねる時は胸が高鳴ります。先方の技術者から期待通りの評価をいただき、最先端の産業機器への搭とうい載さが決まると、体中が熱くなって、さらにやる気が充満してきます。千葉県で育った僕のルーツは、富山県の山田村。かつて、パソコンやインターネットの普及率が日本一だったその村は「電脳村」と呼ばれ、僕のおじいちゃんは、パソコンを使いこなす最高齢者としてメディアにも取り上げられました。プラント技術者だった父が、当時人気の「iアイBo・oブックk」という最新パソコンを買ってくれたのは小学6年生の時。本を見ながら「テトリス」というゲームを作った時の感動体験は、その後の自分の進路に大きく影響したと思います。中学、高校を通してパソコン部に所属し、テレビ番組によく登場する「ト*ータライザー」を作ってみたり、パソコンを自作したり、自分で電気機器を作る楽しさを知りました。大学で「パワーエレクトロニクス」という電力を制せいょ御ぎする研究を行っていた僕にとって、この会社と出会ったことは必然だったと思います。しかし、そこは楽しい世界というより、田だづけを行うか。高温や低温環境、厳しさを求められるプロの世界。勉強や趣味とは全く異なるものづくりに対する“ストイック(厳げ粛)な姿勢”を身にしみて感じました。試作段階で開発目標をクリアしたとしても、それを量産できなければ製品化することはかないません。百個造っても、百万個造っても、100%能力を満たす製品を造るのがプロの仕事。試作段階では問題がなかったとしても、実際に生産ラインに乗せた時に予期せぬ不具合が発生することもあります。限られたスペースに多くの電子部品をどう配置するか。どうやって半は雷による影響をどう回かひ避するかなど、目に見えない電気を相手にあらゆる角度から課題を検討します。そして、ゴールに至るまでのプロセスを記録していくことも重要な仕事です。失敗も成功も、積み重ねた経験はすべて財産。その中からいくつものルールが生まれ、新たな開発の道筋を示してくれるのです。お客様がコーセルの製品を選ぶ理由は“安心感”だと思います。それを愚直に守り続けるチームの中で、んしゅくいん ものづくりができることを喜びに感じます。学生時代からいろんなスポーツをやってきました。今はテニスでリフレッシュしています。あらゆる電気機器に欠かすことのできない直流安定化電源装置の設計、生産、販売。産業・業務用電源の多くを占める標準電源では、国内トップシェアを誇ります。コーセル株式会社〒930-0816 富山市上赤江町一丁目6番43号Tel. 076-432-8151 URL https://www.cosel.co.jp/ ■代 表 者 代表取締役社長 谷川 正人 ■創  業 昭和44年  ■従業員数 465名  試作したものを製品化するための設計を担当。元来、工作が大好きな自分に合っています。*トータライザー …アンケート同時集計マシン11

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