富山県版Vol.15
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ものづくりで喜ばせたい腕一本で勝負する何でもできるやり抜く気持ちがあれば学生時代の部活でも仕事でも、僕は何度も失敗して怒られてきました。しかし、何事も図太く、最後までやり通したのは、他人がでしかったかきることを自分ができないのは悔ら。初めて挑戦することに失敗はつきもの。しかし、あきらめなければ、必ず自分のものにできます。小さな成功体験を積み重ねることで、大きな自信を持つことができるんです。ひとに喜ばれるものづくりにはこの手でつくり上げる楽しみがある金かねみち道 拓たくや也さん(100分の5㎜)に均一に塗装すること小さい頃からおばあちゃんの畑仕事を手伝うのが好きで、園芸高校でも、自分たちが丹たい精込めて作った苗なや作物を地域の人が笑顔で買ってくれるのがすごく嬉うしかったですね。「将来は、ものづくりで多くの人たちを喜ばせたい」。そう思ったのが、この仕事に入るきっかけでした。この会社で造っているのは、いろんなものづくりの先端分野で活躍する産業機械。自動車、建設、農業、医療など、納入先のお客様は実に様々です。僕は、それらの機械に組み込まれる部品やカバーに色を施ほす塗とう装を行っていますが、精密機械の部品だけに、表面の塗とく膜の厚みが50㎛*が求められます。「スプレーガン」を使って塗料を吹き付ける作業は、一見簡単そうに見えますが、失敗せずにできるようになるまで3年くらいかかりました。んせどこ栄ばえを左右する仕事ですから、仕上がまそれえ8スプレーガンのトリガー(引き金)を指で引くと、カップの中に入った塗料が扇せんじ状ょうに噴ふんゃ射しされます。近すぎると塗料がタレたり、離れすぎると塗料の粒子が乾いて表面がザラついてしまいます。意識を集中させ、適度な距離を保ちながら同じリズムで腕を動かします。中学時代、吹奏楽部でドラムを叩たたいていた経験が少しは生かされているかもしれませんね。機械に頼らず、自分の腕一本で出でき来りの奇きれい麗さを褒ほめられると嬉しいものです。しかし、8年目を迎えた今、それで満足していたら成長はできません。自分の動きに無むだ駄がないか見直し、特殊な形状の部品塗装にもスピード感をもって挑戦したい。一日の仕事をやり切り、畑に立ち寄るのが僕は好きです。祖母が育てた作物が実るのを見る時、何とも言えない充実した気持ちになります。*㎛(マイクロメートル) … 1㎛=0.001mmプレス機による塑性加工を機軸に、各種産業機械、大型バス車体、建設機械、工作機械、農業機械、医療機器など、独自の複合加工技術による部品製造、組立。株式会社砺波製作所〒939-1317 砺波市矢木636番地Tel. 0763-33-2145URL https://www.kk-tonami.com/ ■代 表 者 代表取締役社長 森澤 正良■創  業 大正12年 ■従業員数 109名 (26歳)出身校:南砺市立井口中学校、富山県立小矢部園芸高等学校くや産業機械板金塗装株式会社砺波製作所井波工場 組立課玉掛け作業者・床上操作式クレーン運転士

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