富山県版 Vol.16
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就しゅうしょく職はあせらず、視野を広くわざわいして、よく失敗昔はせっかちな性格が災しました。就職先を決める際、人気のある大手企業を3社見学したのですが、本当にそこに行きたいのか何度も自分に問いかけました。時間がかかってでも納得できる会社めぐりを探したいと考えた結果、この会社に巡合うことができました。初めて取り組む仕事でしたが、マン・ツー・マンで教えてもらえる環境が自分には合っていたと思います。過かん言ではありません。山に囲まれたこ僕が手に持っているのは、超ち鋼金属を加工した金かた型部品。こんなに複雑で細かい形状も、「放ほん電加工機」を使って自在に造ることができます。機械にセットするのは工具ではなく“電極”。「グラファイト」というシャーペンの芯しと同様の材質で造られていて、雷のように強大な電気を放つことで硬い金属の表面を溶かし、ハンコのように形状をそっくり写していきます。加工が終わるまで丸一日。中には一週間以上かかるものもあります。そうやって時間をかけて完成させるのは、自動車の重要部品を大量生産するための金型部品。機密情報なので詳しくは言えませんが、僕たちがつくり上げる金型の品質によって、安定した車の性能が発はき揮されると言ってもの秘密工場(笑)には最先端のメカトロニクスが揃そい、精せい鋭なエンジニアたちが車の未来を担にっているのです。ょうこうながうでいえなろごっん埃ほこり。たったそれだけで、100分の1ト16までいきました。小学校5年生の時に始めた剣道は、飛び込んで相手の面を打つのが自分の得意なスタイル。高校時代は県でベス放電加工も“面”を正確に決めることが最も重要。機械に取りつけた材料の表面に測定器をあて、タテ、ヨコ、高さなど基準となる位置を機械に読み込ませるのですが、最初は測るたびに数値が変わり、うまくいきませんでした。原因は材料の表面についた油や微びさい細なミリの違いが生じてしまうのです。ものづくりは自分との勝負。剣道と同様、一瞬の油断が品質にも表れます。「仕事は大変だけど、俺が助けてやるから心配するな!」初めてこの会社に見学に来た時、そう言ってくれたのが僕の上司。これまで何度も助けてもらい、今では複数の放電加工機を同時に操作しながら、難度の高い加工にも挑戦しています。電気でカタチを彫るスキを与えず、面を決める電極から放たれるプラズマが自分の可能性を未来に刻む砂すなた田 尚なおき紀さん出身校:砺波市立出町中学校、富山県立砺波工業高等学校(20歳)ダイカスト金型、プラスチック金型、プレス金型など自動車関連の精密金型部品加工および、航空機関連部品加工など複雑な3次元形状の加工を得意としています。株式会社リバン・イシカワ〒939-1846 南砺市国広62番地Tel. 0763-62-1783URL https://www.riban.co.jp■代 表 者 代表取締役 石川 幹人■設  立  昭和45年 ■従業員数 29名 13株式会社リバン・イシカワ製造部金属加工エンジニア

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