富山県版 Vol.16
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続けてみないと何も身につかない領が初めての仕事に挑戦するときは、要つらい。失敗すると怒わからないので最初は辛られるし面白くない。だけど、続けてみればなれてくるし、助けてくれる人もいます。体が慣どんな仕事も技能が身につくまでに時間がかかることは、教える先輩も経験してきてわかっています。身につけた技能は離れず、生きる自信になります。それをつかむまでの時間は決して無むだ駄ではないはずです。庄川峡きうにかかる赤いアーチ型の「利賀大橋」。昨年10月に開通式が執とり行われましたが、その3年前、私は建設中の橋の上にいました。これまで日本各地でいろんな橋梁の鉄てん筋工事をしてきましたが、利賀大橋は、かなり“ヘヴィ”な現場でした(笑)。全長368m、幅8.5mの橋の上部にコンクリートを打つための鉄筋を組むのですが、作業車両が使えないため、200m近い距離を、材料を肩に担かいで運ばなければなりませんでした。夏場は鉄筋がアイロンのように熱くなります。日差しを遮さぎるものがない橋の上を何回往復したかわかりません。中学、高校時代に砲丸投げやハンマー投げで体を鍛え、祭りで神みし輿を担いでいた私でも、かなり堪こえました。遊覧船がその下を通り、インスタ映えするスポットとなった利賀大橋ですが、そこには多くの工事関係者の汗が染みこんでいるのです。きょうりょうっきたこえつょ配はい筋きん図ずには、建造物の構造と鉄筋自分たちの仕事は、頭でも汗をかきます。パソコンの前に座って材料の計算をし、鉄筋の加工指示書を作ります。工業高校で習った*CキAャドDの使い方を必死で思い出しながら、マウスを動かしています。の組み方が詳細に記されていますが、場所によって使用する鉄筋の太さや長さ、加工する形状も違います。鋼こうい材ざの種類によって鉄筋を曲げたときの伸び方も変わるので、緻ちみつ密な計算が必要。勉強は得意なほうではありませんでしたが、そんな言い訳は仕事では一切通用しません。幸い、この会社には橋梁鉄筋工事のスペシャリストが何人もいるので、*CAD …コンピュータによる製図システムトップレベルの技能と知識が自然と身につき、1級の技能試験も一発で合格できました。もっと大きく、さらに難しい仕事に挑戦し、自信を高めていきたいと思います。じょ机きう上で頭脳を駆くし使する現場で心身を鍛える技能と知識を忍耐力で結束すれば筋金入りの職人ができあがる布ぬのむら村 栄えいじ二さんようりょうおこ14出身校:富山市立興南中学校、富山県立大沢野工業高等学校(31歳)橋梁・床版工事、鉄筋加工事業。県内外の橋やトンネル、新幹線の高架橋など多くの建造物の施工に関わっています。旭鉄筋株式会社〒939-3542 富山市水島開発277-11富山三郷企業団地内Tel.076-479-0786URL https://www.asahi-tekkin.com/ ■代 表 者 代表取締役社長 井本 秀治■創  業  昭和44年 ■従業員数 20名 旭鉄筋株式会社職長 1級鉄筋技能士鉄筋工事

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