富山県版 Vol.16
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うせ溶よつ接の仕事をしていた私は、自分と施ほこさないので、加工の跡もそのまま表りょこの会社で造られた製品を初めて見たのは、入社する何年も前。その時の衝撃は今でも忘れません。「本当に人の手で、こんなにキレイにできるものなの?」当時、曲がりなりにものレベルの違いに驚き、唖あん然としてしまいました。薄い金属の板を加工して造る板ばん金製品はたくさんありますが、食品工場や製薬工場の設備に使用されるのは主にステンレス。この素材は後から塗とう装をに出ます。一切ごまかしがきかないので、特に溶接した部分を見れば、職人の技ぎう量がわかるのです。「この会社に修行に行きたい!」私は、そんな衝し動に駆かられました。「でも自分の腕じゃ、きっと相手にされない。でも、やっぱりうまくなりたい…」。心の中で何度も葛かう藤をくり返したことを思い出します。ょうどうっとんきどそぜ溶接をする人はみんな経験しますが、最初は眼が痛くなったり、肌が日焼けしたみたいになります。だけどマスクをかぶり、トーチの先から放たれるアーク(火花)を材料の接合部分に沿って走らせると、いつしか無心になっている自分がいます。そしてキレイに仕上がると、すごく幸せな気持ちになります。しかし、自分がキレイだと思っても、上司やお客様のイメージと隔へだたりがあれば、やり直さなければなりません。例えば精せいい米ま装置の場合は、見みば栄えの美しさだけでなく、扱う人がケガをしないよう、また装置の中に入るお米の粒が割れないよう、材料の端たんん面めにもこだわる。図面に描かれていないところまで汲くみとるモノづくりの姿勢を、この会社に入って学びました。昨年完成した新しい工場は、2.5倍の広さ。会社の成長についていけるよう、私の溶接修業はこれからも続きます。ゅぎょ職人の技に魅みせられる終わりなき溶接修しう業飾らず、そしてごまかさず、すっぴんの美しさを磨き続ける宮みやうち内 清せいこ子さん素直にありがとう人に対して腹が立つこともあるけど、みんなそれぞれいいところがあったり、自分にないものを持っていたりします。いざという時に助けてくれるのが職場の仲間たちであり、安心して仕事ができるのは、協力してくれる家族のおかげ。どちらも私にとって、ありがたい存在です。「ありがとう」という言葉は社交辞令の一つだと思っていた時もありましたが、今は心の底から素直に言えます。16出身校:南砺市立福光中学校、富山県立中央農業高等学校(44歳)機械フレーム、ホッパータンク、製薬サニタリー装置部品、 食品製造ラインなど、ステンレス、鉄を材料とした板金製缶加工。株式会社ヒラ・テック〒930-2222 富山市八幡492-1Tel. 076-471-5566URL http://www.hiratec.jp ■代 表 者 代表取締役 平山 喜将■創  業 平成17年 ■従業員数 40名 株式会社ヒラ・テック製造部 ステンレス溶接課主任板金製缶加工

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