富山県版Vol.22
18/22

昭和34年。15歳で養護学校の卒業を控えていた林さんは、同級生と二人でチョークをつくる会社で2週間、職場体験をしました。最初にさせてもらったのは、商品の箱にシールを貼る仕事。仕事をもらったことが嬉しくて、無我夢中で頑張りました。早く仕事を覚え、上手くなりたいと、お昼のお弁当も半分だけ食べると、またすぐに作業場に戻って仕事を続けました。いよいよ職場を去らなければならない最後の日。社長室に、会社の社員さんたちがやってきてこう言いました。「お願いです。この子たちをウチで就職させてやって下さい。これからも一緒に働きたいんです!」それから、53年。68歳になった林さんに、本当に職場を離れる日がやってきました。「私が頑張ってこれたのは、この会社が大好きだったから。これからは、100歳になるお母さんのそばにいてあげたいと思います」林さんの人生を切り拓く、スタートとなった職場体験。それは、働くという幸せを、みんなに教えてくれた14日間でした。16カッコいい大人は、働く幸せを知っている人である

元のページ  ../index.html#18

このブックを見る