未知なる世界へ好奇心の扉を開いてくれた先生立山町立雄山中学校寺島優里先生です ふうど しんみ いせき大学時代を過ごした京都にも、伝統的な建築物がたくさんあって歴史を感じますが、私が衝撃を受けたのは、カンボジアのアンコールワット。大学一回生の時に旅行し、地理の教科書で見た遺跡が本当にあって、そこで生活が営まれている様子を肌で感じました。その体験をきっかけに、私はアルバイトで旅費を稼いでは、インディ・ジョーンズのごとく、東南アジア、中東、南米、アフリカの国々を旅しました。 今回はリレーエッセイ「その二十三」かせ大学の歴史科に進学したのは、高校の時に世界史が好きになったのが理由。当時、講師として世界史を担当されていた河野先生の授業を受けたのは1年間だけでしたが、歴史のつながりに重点が置かれ、時代の流れがわかりやすく興味をひかれました。とにかく知識がものすごく、先生が話してくれるこぼれ話が面白くて、よくノートにメモしていました。授業で歴史に関係する映画を見せてもらったことも印象に残っています。もっと世界の歴史を知りたいと思って大学に進学した私は、最初から教師を志望していたわけではありません。しかし、大学時代に各国を旅してまわり、現地の子どもたちとふれ合ううちに、「将来は、海外の子どもたちに教える仕事がしたい」と考えるようになりました。きっとそれは、中学の時担任だった萩中先生の記憶がそう思わせたのかもしれません。キビキビとして、一見厳しそうな雰囲気で、尚かつ私が大の苦手だったなおだん数学の先生でしたが、デキの悪い私に親身になって教えて下さいました。そんな先生の優しさに触れ、現地の子どもたちにも愛情に満ちた温かい教育を受けさせてあげたいと思ったのです。そのためには、教員としてのキャリアを積み、教えるためのスキルを磨かないといけません。教員採用試験は狭き門でしたが、京都でも講師として教壇に立ちながら何度もチャレンジしました。その間、自分の気持ちを支えてくれたのは、生徒たちが理解できた瞬間に見せる瞳の輝き。もっと知りたいという好奇心の扉を開いてあげることが教師の役割だと気づきました。異文化を理解することは平和への第一歩。歴史や風土、国どうしのつながりを学ぶことで、グローバルな時代をどう生きていくか、子どもたち一人ひとりが考えてくれたら嬉しいです。きょううれ 立山町立雄山中学校 教諭寺島 優里先生【てらしま ゆうり】滑川市立滑川中学校、富山県立魚津高等学校 出身これまでに訪れた国は、カンボジア、タイ、ミャンマー、ラオス、ヨルダン、ペルー、ボツワナなど。趣味は社会人になってから始めたスキューバダイビング。日本一高いブリッジバンジージャンプにも挑戦するなど怖いもの知らずの冒険家である。中高時代は剣道部で部長を務め、現在は剣道部顧問として生徒と共に竹刀を振る。京都橘大学文学部歴史学科卒。担当教科は社会科。東南アジアを中心に旅行し、それぞれの国でいろんな初体験をしてきました。写真はミャンマー(左)とラオス(右)。32
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