富山県版 Vol.24
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隙すま間)から少しずつ塗料を出し、移動道路のはるか向こうから引かれた真白なライン。陽ひの光を反射し、アスファルトに真直ぐ、くっきりと浮かび上がるのを見る時、いつも清すが々しい気持ちになり、びっしょりかいた汗も心こち地よく感じられます。学校のグラウンドに引く白線と違い、道路の区く画線は、約200℃で溶かした合成樹脂塗料を使います。それを保温釜がに入れ、手押し車のようなライナー(ライン引き)のスリット(細いしながら線を描いていきます。高3の時に現場見学に訪れ、初めて目にした作業の様子がすごく面おろ白そうで胸がときめきました。しかし、見るのとやるのとでは大違い。きれいに引けるようになるまで何度も失敗しましたが、10年経って、自分が引いた白線は県内を走る道路のいたる所にのこされ、道往ゆく人や車の安全を人知れず守り続けています。がすかくせんきまこなもし岐きにわたり、未経験の仕事も山ほどあもの心ついた時から‘おわら風の盆’で踊り手をしてきた僕は、多少お酒に酔っても一いっし糸乱れず、夜通し踊り続ける自信があります(笑)。しかし、道路の区画線を引く時は、一瞬でも集中力が途切れるとリズムが乱れ、塗装の厚みが変わり、線がよれてしまいます。カーブのところは特に難しく、これまで一番きれいに引けたと思ってもいは歴れきん然ぜです。白線は時間の経過とともに剥はげ落ちてしまうため、数年後にはまた引き直す必要があります。「前よりもっときれいに」。毎回そう思って引いてきた白線は、距離にすると日本列島をじ縦ゅうん断だしているかもしれません。故郷の道路を守り維持するために必要な業務は多たります。新しいことに挑戦しながら、未来に続く道に自分の足跡をしっかりと残したいです。区画線の剥はくり離状況をAIで判定時間の経過とともに白線や道路標示が剥げ落ち、認識しづらくなった場所を特定して報告書にまとめるのは時間も労力もかかる作業。スマホを車に取り付けてドライブするだけで道路を自動撮影し、区画線の剥離状況をAIで自動判定する「道路区画線診断システム」を県内で初導入し、大変だった作業がラクに正確に、そして、すごく楽しくなりました。足元から安全を守る受け継いでいく使命安心を繋つぐ白いラインで故郷の未来を描き続ける橋はしもと本 颯そうた太さん出身校:富山市立八尾中学校、富山県立富山工業高等学校95点。先輩と比べると、でき映えの違駐車場ライン・道路区画線施工、標識・サインの設計・施工、カーブミラー、ガードレール、視覚障害者誘導用標示、その他一般土木工事、保安用品の販売。道路施設株式会社〒939-8153 富山市吉岡663番地Tel. 076-429-4616URL https://www.douroshisetsu.co.jp ■代 表 者 代表取締役 加藤 慎章■設  立 昭和58年 ■従業員数 17名 (28歳)11交通安全施設施工道路施設株式会社工事部 路面標示施工技能士(国家資格)

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