富山県版 Vol.24
14/22

嬉うしかったですが、僕はコイルを巻いばれやバレーボールは小学校からやっていて、高校時代は181㎝と身長はありましたが、エースアタッカーではなくブロックが得意でした。電気科では、電気工事士の資格取得に向け、毎日遅くまで机にかじりついて勉強しました。クラス全員合格できたのはてモーターを作ったり、小さな電子部品を基きん板に組んだり、手先を使う実習の方が楽しくて好きでした。人見知りな自分は、アットホームな職場で黙もく々とものづくりがしたいと思っていたので、この会社に初めて見学に来た時、まさにぴったりな会社だと感じました。でもその時はまだ、この会社が造っているものもよくわかっていなかったし、数年後に大きな新工場ができることも、新たな生産ラインの立ち上げに関わることも、そして一人暮らしを経験することも想像すらしていませんでした。くも昨年の3月に完成した「となみの庄」は、天然の木の香り漂ただよう快適な新工場。その一いっく角かには、新たに立ち上がった「チ*ップ抵てい抗こう器き」の生産ラインがあります。この電子部品は砂粒のように小さく、1台のスマホの中に3百個以上使われていて、電子機器の高機能化と共に、その重要性は高まっています。僕はこの製造工程を学ぶため、しばらく富山を離れました。与えられた期間は10か月。富山工場にいた時と違い、黙っていたら教えてもらえません。自分がわからなければ人に教えることはできないので、自ら進んで質問し必死で覚えました。となみの庄でチップ抵抗器の生産が始まって半年。最新鋭の設備が稼かどう働し、高精度な製品が次々生産されていくのを見るとホッとしますが、生産量がもっと増えるこれからが本番。次は生産設備の技術者になるため、また勉強に出る予定です。機会によって人は変われる僕は人とのコミュニケーションが苦手だと思っていましたが、自分のためではなく、人のために仕事を覚えるという任務を与えられたことで、初めて会う人とも気軽に話ができるようになりました。苦手なことから自分を守っていると、成長のチャンスも見逃してら機会をつくることで、しまいます。人は自いくらでも変わることができるのです。みずか見えていなかった展開飛ひく躍へのプロローグ小さなチップの大きな可能性が成長の思考回路を動かす古ふるせ瀬 樹いつき*チップ抵抗器 …回路に流れる電流を制限し、一定に保つ電子部品。KOAグループはチップ抵抗器の分野でトップシェア誇る。(KOA調べ)(23歳)さん出身校:高岡市立戸出中学校、富山県立砺波工業高等学校鹿島興亜電工株式会社 となみの庄〒939-1317 砺波市矢木545 Tel. 0763-23-4011[中能登工場(本社)] 石川県鹿島郡中能登町武部は部11番地URL http://www.kashimakoa.co.jp■代 表 者 代表取締役社長 野向 一範■創  立 昭和59年  ■従業員数 282名 ハイブリッドICの設計・開発・製造、角形チップ抵抗器の製造。12電子部品製造鹿島興亜電工株式会社 となみの庄生産センター ショップSRK

元のページ  ../index.html#14

このブックを見る