富山県版 Vol.26
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「このタンス、私のおばあちゃんが昔、使っていたものなんです」。回収を依頼されたお客様から、そんなお話を聞くことがよくあります。モノには思い出がつきもの。相当な覚悟をされて、処分することを決められたのだと思います。超高齢社会の日本では空き家が増え、主人を失ったモノがたくさんあふれていますが、私たちの会社は決してそれらを見捨てることはありません。なぜならモノを活いかす魔法を知っているからです。それは、「不要」を「必要」に「古い」を「エモい」に、人間の「エゴ」も「エコ」に変えてしまう魔法です。この看板のある「エコアクションひろば」には24時間、地域の人たちが家庭の不用品をもって次々とやってきます。挨あつ拶を交かわすと「ほんまに助かっちゃ!」と、まるで魔法にかかったような笑顔になって、得した気分で帰っていかれるのです。いさ身からだ体を鍛きたえてきましたが、自分の才能学生時代、柔道、相撲、ラグビーでに気づいたのは、高校で試合のビデオ係をした時でした。「カメラワークがいい!」と先輩たちに褒ほめられ、映像制作に興味を持ちました。人々の日常を撮影するのが好きだったので、空き家の整理に行くと、残されたモノに住んでいた方の息づかいを感じます。不用品を回収したり、細かく分別したり、手作業で行う仕事は決してラクではありませんが、手で扱うからこそ価値に気づき、隠れた資源を取り出すこともできます。モノをろ過するように元の素材に戻せば、再び活用することができます。この会社では障がいを持った方も一緒に働いていて、活かせる能力を見つけて働く喜びを得られるのも魔法の一つ。それを一番感じている自分自身もきっと、この魔法にかけられているのかもしれません。自分を信じて進めば楽しい将来について、いろんな人に相談するのは大切なことですが、仕事はやってみないとわかりません。SNSにも情報があふれていますが、実際に足を運び、自分の目で確認することが大事です。時代は常に変化しているので、これまでのイメージや固定観念にとらわれていると判断を見誤ってしまいます。恐れることなく、自分のやりたい方向に踏み出せば、新たなステージが見えてきます。エコロジーの魔法モノは人と共に生きている再生可能な社会をつくるミッションを本気で実現させるためのアクション(28歳)14出身校:高岡市立南星中学校、高岡第一高等学校金属スクラップ卸売、産業廃棄物の収集運搬・処分、国内外向けリユース事業の展開、遺品整理など片付け、解体事業。「特別支援学校就労応援団とやま」応援企業第1号。有限会社荒木商会〒933-0951 高岡市長慶寺755Tel. 0766-28-9333URL https://www.araki-syoukai.co.jp ■代 表 者 代表取締役社長 荒木 信幸■設  立 昭和31年 ■従業員数 49名 有限会社 荒木商会立野工場 責任者リサイクルH.Kさん

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