【統合版】富山県版 Vol.28&PROCEED Vol.09
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シナリオ通りに空気をつくれたら心の中にカーテンコールが響く場所で全く経験したことのない分野に挑戦しようと、この会社に入りました。10年目を迎えて思うのは、最適な空間をつくり、多くの人を爽快な気分にしたり、温かくしたりするこの仕事は、まさに演劇と同じ。監督は現場という舞台を演出するディレクターだということです。これまでに、小学校、病院、給食センター、高齢者施設、ショッピングセンター、プラントといった様々な施設の空調設備や衛生設備に携わってきました。演劇には舞台の配置図があるように、空調・衛生設備は、配置が描かれたプロット図に基づいて施工します。その場所に立ち、取り付けが可能か、配管を通せるかなど確認し、お客様にも不都合な点はないかお聞きして施工図に落とし込みます。部屋の広さや窓からの日射も考慮し、必要であればエアコンの能力や設置台数を変更するなど、空調効率のいい方法を考えます。数多くの現場で仕事をしてきましたが、建物はすべて異なり、施工の仕方も様々です。病院では医療ガス小学校の理科の実験で、リトマス紙の色が変わるのを見て化学が好きになりました。紙おむつなどに使われる高吸水性高分子の構造を知って材料に興味を持ち、自然の鉱物についても勉強したくなりました。大学で材料工学を専攻し、レアメタル(希少金属)や高分子材料が燃料電池の発電効率に深く関係していることを知った私は、水素と酸素だけで発電し、CO2が出ない燃料電池が、将来のエネルギー源として実用化されていくことに胸が躍りました。勉強以外でかなり熱を入れていたのが演劇。高校も演劇部で、大学でますますのめり込んだ私は部長を務め、自分で台本も作り、授業が休みでも演劇の練習は休んだことがありませんでした。入社して1年目のアメリカ研修で見学した世界最大級の空調冷熱展「AHRExpo」は実に素晴らしかったですが、ブロードウェイで見たミュージカルの方が、私の記憶には強く残っています(笑)。大学では、自分が興味のあることを存分にやったので、就職は新しい      秋 田 大 学 工学資源学部 材料工学科 卒業秋 田 大 学 大 学 院  工学資源学研究科 材料工学専攻 修了出身校:新潟市立上山中学校、新潟県立新潟江南高等学校空調・衛生設備 施工管理現場監督

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