ものをつくることを生業とする人は、“職人”と呼ばれることが多い。
人の手でつくり出すものは、仕上がりを見れば、つくった人の技量がわかる。
たとえ毎日、同じものをつくるにしても、材料の質も違えば、気候条件によって、機械や道具の調子も変わる。
どんなにテクノロジーが進化しても、それを操るのは人。
もの言わぬ相手をどうやってコントロールするか。それがものづくりにたずさわる人の共通したテーマである。
一流といわれる職人は、常に自分の技能に満足しない。
永遠に続く頂点に向かって、どこまでも自分の技能を極めていけるのが、ものづくりの楽しさなのである。
「もの言わぬ、ものに、もの言わせる、ものづくり」。
ものはウソをつかない。人の心意気が、つくるものにのり移るのだ。