北電テクノサービス株式会社/福井
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雑な回路を理解するのは簡単ではありませんが、事故発生時を想定し、試験機で電流を流して保護リレーが確実に働くか確認する作業は、答え合わせをしていく感覚で、達成感が味わえました。えられており、新たな知識を学ぶ必要があります。経験の浅い自分にとってはかなり高度ですが、社内に数人しかいない「S級マイスター」に認定されたスペシャリストから直接手ほどきを受けられるのはすごく幸運。弟子入りしたつもりで技術を吸収し、リレー盤のマイスターになるのが、今の僕の夢です。リレー盤は順次、最新型に入れ替制御するための調速機、圧油ポンプ、電動機など様々な装置があり、機械の知識が大いに役に立ちます。水車の中に入って羽根の状態を調べ、発電機のカバーを外して測定を行うなど、数多くの発電所を点検して、水力発電の仕組みを理解することができました。自然を利用した水力発電は、自然の驚異とも闘わなければいけません。流木や土砂が流れ込むと水車が損傷したり、制御できなくなるので、水を取り込んで貯めておく水槽の点検も欠かせません。雪が解けると機材を背負って山道を上り、上流にある水槽を目指します。責任を果たすには体力も必要なので、毎日筋トレをして鍛えています。九頭竜川水系にある水力発電所は、僕が生まれるずっと前から安定した電力供給を続けてきました。そこに貢献してきたのが、この会社の先輩たち。その努力を自分自身で体験し、仕事に対する強い使命を感じました。そして、大野がますます好きになりました。問題なく点検が終わった日は気分よく、愛車のバイクで少し遠回りをして帰ります。I    5202UKUFETONARUKASふる里で生きる喜び■大野支店天空の城、大野城が間近に見える城下町が僕のホームタウン。四方を山に囲まれた自然豊かなこの場所が大好きで、高校を卒業しても、ずっとここで、安定した暮らしがしたいと思っていました。そんな僕の希望を聞いて先生が紹介してくれたのがこの会社。電力関係の会社なので、機械科の自分でも大丈夫か気になっていましたが、インターンシップに参加してその不安はなくなりました。しかし、同期入社の多くが電気科出身。新入社員の研修で「電検三種」のテキストをみんなで勉強した時は、知識の差を感じました。でも実際に働き始めると自分の得意なことが多く、心配はすぐに消えてしまいました。九頭竜川の上流に位置する大野は水力発電の基地。奥越を流れるその水系には多くの発電所があります。僕の仕事は、発電所の設備に異常がないか点検し、安定した発電ができるよう状態を維持していくこと。水力発電には、動力を生み出す水車や内田大登さん(2025年4月1日現在)[ 本社 ] 〒930-0858 富山県富山市牛島町13番15号百川ビル6階 Tel.076-442-4818URL https://hts.co.jp[ 福井支店 ] 吉田郡永平寺町松岡室22-2-9 Tel.0776-61-3461[ 大野支店 ] 大野市中挾2-711  Tel.0779-65-7374■代 表 者 代表取締役社長  石丸 哲也 ■創  業 1982(昭和57)年 ■従業員数 423名発電(水力・太陽光・風力)・受変電・送電・通信等の設備の工事・保守管理・点検、配電設備の設計、小水力発電設備コンサルティング、電力システム保守・ソフト開発など。北陸電力グループ。北電テクノサービス株式会社溶接もできるのが僕の強み。機械の知識が大いに役立ちます。でも、三角関数を使って電力の計算をするときは、少し時間がかかります(笑)。複雑な回路や多種多様な電子部品が組み込まれた制御盤を理解するのは簡単ではありませんが、謎解きをする感覚で取り組めば楽しくなります。

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