国内外の機械メーカーが開発した最先端の工作機械や工具などを展示する世界最大級の見本市‘JジIMTOF’に出かけるのが私の楽しみ。多くの来場者が取り囲むブースで、自分が組み立てた装置が実際に動いているのを見ると、秘かに笑えみがこぼれます。世界トップレベルの工作機械を造るメーカーは日本にたくさんあり、先進技術を用もいた新しい機械が次々と開発されています。しかし、どんなに設計図が素晴らしくても、一つひとつ部品を組み上げ、期待通りの性能を発はき揮させることができなければ、製品として世に出すことはできません。特に機械の生命線となる、精度や速度に関係する装置の組立には高度な技能が必要。それを得意とする私たちの所には、様々な機械装置の組立依頼があります。関わった機械に多くの注目が集まると苦労の数々を思い出し、自分のことのように感動します。機械の組立は、その多くが人の手で行われ、ボルトの締め方一つで精度が千分の数ミリ変わり、順序を間違えるとやり直さなくてはいけなくなります。経験を重ねればスキルは上達し、カンも養やしなわれますが、それを人に伝え指導する時は、証明された技能と相手に説明できる知識が必要。そのために私は、技能士の資格も取得しました。現在、私が担当している機械は何種類もあって、全く違う料理を同時に作るような感覚。頭をフレキシブルに切り替え、それぞれの部品を確認し、何から先に進めるか、家に帰ってもつい、段取りのことばかり考えてしまいます。新人の頃から育てていただいたお客様に、「岩本さんなら間違いない」と言っていただいたことがあります。自分の成長を見守ってくれている人は上司だけじゃないことを知り、胸が熱くなりました。仕事をするなら、プロとしてお問い合せに、「わかりません」と簡単に受け答えした自分に、「あなたは入社して間もないかもしれないが、社会人として給料をもらっている以上、プロだと思って仕事をられたことがありしなさい」とお客様から叱えられます。学生時代は卓球部で厳しく鍛たつもりでしたが、社会人としての厳しさはまた別。おかげで自覚をもって仕事に取り組み、成長することができました。亀かめい井 健けんじ二さんっちムトフろ最新の技術をカタチに自分の成長が信頼をつくる質を追えば、量も増える量が増えれば、技能が拡ひがる出身校:金沢市立清泉中学校、石川県立工業高等学校しかきた建設機械、工作機械、計測機器などの部品ユニット、航空機部品、半導体及び工作機械の周辺装置、ロボット製品など開発・製造。切削液自動供給装置「楽〜ラント」の製造・販売。岩本工業株式会社〒924-0014 白山市五歩市町446Tel. 076-275-1185URL http://www.iwmt-kg.co.jp ■代 表 者 代表取締役社長 岩本 博之■創 業 昭和24年 ■従業員数 85名 (34歳)10岩本工業株式会社製造部 製造3課 第5係 チームリーダー1級仕上げ技能士(機械組立)、1級機械保全技能士機械組立
元のページ ../index.html#3