川田ニットグループ
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岩いわた田 諒りょうすけ祐さん糸が心を躍おらせる経験を編みこむ変化を求めて挑戦すれば楽しみは無限ループになるてあ経たみ編機を超スローモーションで解説巻かれた糸が600本。それが横に6つ並んでいるので、全部で3、600本。その1本1本が、目の細かい櫛くの歯に似た筬おを通り、同じ本数の編あり針とワルツを踊るように糸を一斉に編み込んで生きじ地がつくられていきます。するとそんな感じですが、編み物もやったことがなかった私にとっては、全く未知の世界でした。しかし、神岡の山やい間で育ち、変化に富んだ生活を望んでいた自分にとっては毎日が驚きと発見の連続。ここで造られたトリコット(経編)生地が有名ブランド下着に使われ、コマーシャルに登場したり、オリンピックでメダルを獲ったレスリング日本代表選手たちのウェアになったり。最初、機械に糸を通す方法を覚えるだけで1年かかりましたが、ワクワク感はどんどん増していきました。幅53㎝の大きなビーム(糸巻き)にまあ採さいう用よされる素材は、従来品よりも高さしどみば活いきてくるのです。「もっと滑らかに」「伸びがあって、しかも強く」…。お客様の新商品にい機能やデザインが求められます。それに応こたえるのが私たちの使命。組み合わせる糸の種類や割合、編み方や機械の設定条件を決め、目標とする生地を設計します。実際に機械を動かしてみると糸が切れてしまったり、ねらい通りの風ふうあ合いが出なかったりするので、どこを変えればいいのか答えを探します。丸一日、機械や糸と格闘し、全くわからなかったことが、ちょっとしたひらめきで解消できたときは爽そうい快かな気分。その繰り返しによって自分の中にデータが蓄積され、次の開発に糸の組み合わせや編み方は無限大。その中からベストな条件を見つけることで新しい生地が誕生する。楽しさも無限大に味わえるのです。密度の濃い一日を過ごす学生時代、だらだらと時間を過ごしたことが私の一番の後悔。社会人になると、一日の3分の1は仕事に費やします。その時間をどれだけ密度濃く使うかによって、充実感が違ってきます。後の3分の1を大いに楽しむためにも、その日の目標を決めて集中して取り組み、会社を出たら仕事のことは忘れる。メリハリのある生活をすることで、いい循環がつくれます。インナーウェア、スポーツ・フィットネスウェア、アウターウェア、その他様々な用途に使われるトリコット生地の企画開発・製造・販売。川田ニットグループ〒939-1867 南砺市城端1370Tel. 0763-62-1170URL http://www.kawada-knit.co.jp ■代 表 者 代表取締役 川田 征利■創  業  明治43年 ■従業員数 60名 (26歳)出身校:飛騨市立神岡中学校(岐阜県)、富山高等専門学校川田ニット株式会社北野工場 開発課11トリコット生地開発

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