杉本瓦工業株式会社
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うぼスキを許さない仕事自分が一番になりたい屋根のてっぺんに上のれるのは一番強い自信をもった職人江え下した 章あき夫お百棟ともの家の屋根を葺ふいてきたので、作業の手順はすべて頭に入っています。しかし何度やっても、「自分の腕はこんなもんじゃない!」と思ってしまうのは、瓦は手作業でしか葺けないものだからです。家によって屋根は形も大きさも全く違いますし、瓦にもいろんな種類があります。基本は同じですが、重要なのは、雨が降った時の雨水の流れ方を読むこと。水は瓦の上を走り、すき間があれば侵入してきます。風と一緒に横からも忍び込みます。一つの屋根には千枚近くもの瓦を使いますが、その中のたった一枚でも重ね方が甘いと雨水はそのスキを見逃しません。絶対に水を入り込ませない精密な仕事に加えて、見た目の美しさも職人ののいく仕事をめざしています。わら瓦かぶ葺き職人になって10年、今まで何りょ技ぎう量を判断する大きな要素。両方納得磨みがいてきました。見習い時代に初めて親方をリーダーとして、子こ方かたや見習いが一つのチームになって現場に入ります。私も3人の親方のもとで腕を「自分一人でやってみろ」と言われた時、時間がかかったけれども一つの仕事をやり遂とげた感動は今も忘れません。その時から、親方の背中をずっと追いかけてきました。何十年も経験がある職人は、釘くぎの打ち方一つとっても違いを感じます。同じ仕事をしても、洗せん練れんされた美しさがあります。知識は頭で覚えられますが、この感覚の違いは言葉で表現することもできず、体に覚え込ませるしか方法はありません。 現場を重ねるごとに、「一番上う手まい職人になりたい」と欲がわいてきます。たぶん、どの親方も「自分が一番」だと思っているはず。そう言える自信がなかったら、親方になれないし、お客様にも失礼ですからね。経験したことにムダはないつくかなんてわ将来、自分がどんな職業に就かりません。でもふり返れば、今までやってきたいろんなことが仕事に役立っています。った体力や、練習すればするほ柔道部で培ど強くなれるという経験も、間違いなく実になっていますし、電話工事の仕事で銅線をつないだことも、この仕事で役立ちました。人は経験したこと全ての上に立っているのです。12瓦の製造工場から始まった、瓦のことを知り尽くしている屋根工事専門の技能集団。若い社員が多く、厚生労働大臣認定のかわらぶき1級技能士は28名います。杉本瓦工業株式会社〒925-0004 羽咋市一ノ宮町レ100番地Tel. 0767-22-0625 URL http://www.sugimotokawarakougyou.jp ■代 表 者 代表取締役社長 杉本 孝司 ■創  業 昭和8年  ■従業員数 70名  (35歳)さん出身校:羽咋市立邑知中学校、石川県立羽咋工業高等学校つちか瓦葺き職 人杉本瓦工業株式会社工事部 かわらぶき1級技能士

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