杉本瓦工業株式会社
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正しかった勘違い自分を証明してくれるもの下から見上げるだけだったら上から見下ろす景色は味わえないば15年も経ってしまいました。その「かわらぶき」と聞いて、「瓦からを“拭ふく”仕事ってラクそうだな!」と思って見学に行ったのがこの会社。現場に連れて行かれた時、そこで自分は大きな勘違いをしていたことに初めて気がつきました分にやれるのかとても不安になりましたが、採さ用よしてもらったからには、働かないといけません。幸い同級生もいたので、とにかく頑がば張ってみようと思いました。これまで県内各地、そして富山県の氷見の方まで、忘れてしまうくらいたくさんの現場を渡り歩いてきましたが、お客さんから「きれいなった。あんたんとこに頼んでよかった」と言われるのが嬉しくて、気が付け間に家庭を持ち、こうやって今でも瓦を“葺ふいて”いるってことは、やっぱりこの仕事で間違いなかったんだと思いますね。んうい(笑)わ。こんな仕事、自鬼おに瓦がわ、らのし瓦、一いち文もん字じ…、日本の瓦屋根の美しさは、このへんに表れます。施せこう工も難しく職人の技ぎりう量ょの違いがはっきり出ます。一つの現場を職人がチームを組んで工事を行うので、お互いの仕事を見ることになります。みんなプロの職人だけに見る目も厳しく、恥ずかしい仕事はできません。正直、5年位前までは仕事に自信が持てず、思い悩んだこともありました。そんな中、1級技能士の検定に挑戦。難しい実技試験と学科をクリアし、厚生労働大臣の名前が入った合格証書が届きました。それを手にした時、「資格と会社の名前に恥じない仕事をしなければならない」。そんな使命感が自分の中に芽め生ばえました。自分が心がけてきたのは、見えないところまで完璧に仕上げること。時間がなければ休憩を切り上げても納得のいく仕事をしたい。そのこだわりが自身の証明になると信じています。壁の向こうにチャンスがある壁にぶつかった時、先に進む自信を無くしてしまいます。でも、一歩その先にはエスカレーターがあるかもしれません。自分もこの仕事を途中であきらめていたら、1級技能士の資格を取得することも叶わず、仕事に自信を持つこともできなかったと思います。壁にぶつかるということは、その向こうに状況が変わるチャンスが隠れているということなのです。瓦の製造工場から始まった、瓦のことを知り尽くしている屋根工事専門の技能集団。若い社員が多く、厚生労働大臣認定のかわらぶき1級技能士は25名います。杉本瓦工業株式会社〒925-0004 羽咋市一ノ宮町レ100番地Tel. 0767-22-0625 URL http://www.sugimotokawarakougyou.jp/ ■代 表 者 代表取締役社長 杉本 孝司■創  業 昭和8年  ■従業員数 57名出身校:宝達志水町立志雄中学校、石川県立宝達高等学校(33歳)瓦葺き職 人杉本瓦工業株式会社かわらぶき1級技能士Y. Kさん

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