わら地域を救う瓦かぶ葺き戦士災害が教えてくれた価値練習は裏切らない腕に自信をみなぎらせ屋根の上で何度でも立ち上がる私の趣味はガンダムのプラモデル作り。パーツを一つひとつ丁てい寧に切り抜いて組み立て、シールを使わず、自分で塗とう装までやるのがこだわりです。これまで丹たい精込めて作ったガンプラは約50体にのぼります。まで何百棟も瓦屋根を葺ふいてきました。瓦はとても丈夫なので多くの家に使われていますが、石川県ではかなり昔に葺かれた古い瓦屋根も少なくありません。近年多くなったゲリラ豪雨や大雪、台風で傷いみ具ぐい合がひどくなり、葺き替えを待ち望むお客様はたくさんいらっしゃいます。元日に発生した大地震で広範囲にわたって家屋が倒とい壊し、被災地に入ることが多くなりましたが、お客様から言われる「お願いします」という言葉をこんなにも重く感じたことはありません。「早く安心して眠れるようにしてあげたい」と、手に力がこもります。瓦葺き職人になって10年。これんせたあそおうかいね易やすくなりますが、雪が降り始めると尽つくす仕事がしたいと公務員を目指屋根の上から街を見渡すと、ブルーシートで覆おわれた家がまだまだたくさんあって気がはやりますが、仕事への向き合い方は変わりません。屋根が壁と接合する「ふきどめ」や上部の「のし瓦」は雨水が入り込まないよう細部に気を配り、見映えも真直ぐになるよう、1枚1枚瓦の高さを調整します。そして、最後は瓦の削りくず一つ残さず、きれいにして現場を後にします。夏が過ぎて涼しくなると仕事はし屋根の上には上がれないのがこの仕事の宿命。雪がとけるまで冬休みに入ります。高校時代は地域のためにしたこともありました。全く違う仕事に就つき、技能を身につけるのに長い時間がかかりましたが、地域に役立ち、これほど多くの人に感謝される仕事はないと感じています。出身校:羽咋市立羽咋中学校、石川県立宝達高等学校勉強は好きでしたが、かわらぶき技能士の検定試験は想像していたより難しく感じました。職人は腕が命といいますが、技能は知識をともなってこそ認められます。勉強でもなんでも、続けることが大切。未経験でもまずチャレンジしてみて、ダメだと思っても、根気よく繰り返していくうちに自然と身につくものです。(30歳)瓦の製造工場から始まった、瓦のことを知り尽くしている屋根工事専門の技能集団。若い社員が多く、厚生労働大臣認定のかわらぶき 1 級技能士は 20名います。杉本瓦工業株式会社〒925-0004 羽咋市一ノ宮町レ100番地Tel. 0767-22-0625URL https://sugimotokawarakougyou.jp ■代 表 者 代表取締役社長 杉本 孝司■創 業 昭和8年 ■従業員数 35名 瓦葺き職人杉本瓦工業株式会社工事部 1級かわらぶき技能士T. Tさん
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