.SM んち勘かが違いしていた自分「仕事辞めます!」喜びと苦しみは表裏一体鉄を溶かす情熱がその間を埋める(29歳)入社して2年目の夏、私はついに社長に言いました。職場の先輩はみんな優しかったし、「もう少し続けてみれば、きっと何か見えてくるよ」と言ってくれましたが、ずっと頑張ってきたのに上達しないし、手も遅いし、体もきつい。心が疲つかれていたんだと思います。社長はそんな私に対し、「気のすむまで休んでいいぞ」と言ってくれました。私は、貯金を使い果たすつもりでバイクで出かけたり、釣つりに行ったり、毎日好きなことをして過ごしました。仕事を忘れて遊びまわり楽しかったけど、ふと浮かんできたのは、お世話になった人たちの顔。高校時代、万年ドンケツで卒業も危なかった自分を親しんみ身になって心配してくれ、この会社にし就ゅう職しょさくせてくれた先生を思い出すと胸が痛みました。高校1年で、春高バレー県大会の決勝戦に出してもらった時までは、ひたむきな熱血少年でしたが、遊びをおぼえると授業をサボるようになりました。機械科の実習も全くやる気がなかったんですが、なぜか溶よつ接うせだけはうまくできて、先生にすすめられて溶接の基本級、そして専門級の資格を取りました。これがなかったら、たぶんどこにも就職できなかったと思います。「オレは溶接が上うま手い!」とばかりに意気揚よう々と入社。しかし、溶接課に配属され、材料を目にした瞬間、唖あん然としてしまいました。建設機械のパーツはどれも大きく重う厚で、高校時代にやった溶接とは全く別もの。何食わぬ顔でトーチを走らうよじゅうこ出身校:小松市立丸内中学校石川県立小松工業高等学校ぜ建設機械溶接株式会社タガミ・イーエクス製造部 溶接課
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