東振グループ
15/20

13oV8102ETON.lARUKASさん案ずるより研ぐが易やしりますが、大切なのは量だけでなく、その品質。ローラの精度に違いが出ないよう、髪の毛の100分の1という単位で計測できるダイヤルゲージを使い、規きてい定内のサイズに仕上がるよう、機械の設定を調整します。研削盤は、回転する砥といし石によって金属の表面を削っていくので、使っているうちに砥石が減っていきます。自分の後に入る人のことも考えて新しい砥石を準備しておくのも僕の仕事。最後に自分が仕上げたローラの数量を確認した時、狙ねらった数字を超えることができたら気分は最高。そこから先は遊びのシフトに切り替え、自分の時間を大いに楽しんでいます。身からだ体は大きいのですが、心配性の身長が186㎝の僕は、中学高校の6年間、バスケットボール部で練習漬けの毎日を送っていました。高校時代は県で準優勝。並居る強豪校にはなかなか勝てませんでしたが、市立工業に行ったおかげで、バスケット以外にいろんな経験ができました。中でも溶ようつ接せが面白く、高3の時の課題研究も溶接に取り組み、技能検定3級を取りました。僕は、入社した時は仕事ができるかとても不安でした。しかし、そんな心配は現場に出てすぐに解消されました。わからなければ丁ていい寧ねに教えてくれ、たとえ失敗しても助けてくれる先輩が周りにいてくれたおかげで、日を重ねるにつれ、自分の仕事に自信が持てるようになりました。僕たちがいる「CY係」の“CY”す れろ ぎとは、「シリンドリカル・ローラ(円筒コロ)」の略で、主に自動車の回転部分に使われるベアリングのローラを造っています。そこでの僕の担当は、粗削りされたローラをさらに握あくして、そこを注意することで、安研削していき、全てのローラのサイズが、0.5μm(マイクロメーター、1万分の5㎜)の範囲内で揃そうように仕上げる工こうい程てです。円筒ローラにとって重要なのは、その端面が限りなく真円に近く、その外径寸法がピッタリ揃っていること。1個のローラにかなりの荷重がかかりますから、さらに滑らかな転がりを実現するために、「クラウニング」という、ローラの両端部分に丸みを持たせる後の工程があります。僕の仕上げ方が悪いと、その工程にも影響が及ぶので、絶対的な寸法精度が求められるのです。最初の頃は、ミスもたくさんしました。でもその度に作業の仕方を改善したり、研削盤のクセや特徴を把は定した精度が出せるようになりました。「全部揃っていたね」って、後工程の人から褒ほめられたときは、努力を認めてもらえたようで嬉うしくなります。今、僕が乗っている車はハイブリッド車。驚くほどの低て燃費でよく走りますが、「もし、自分たちが造っている“ローラ”がなかったら、こいねんぴこまでの性能はひょっとして出ないかもしれない」と、ハンドルを握にりながら、ほくそ笑んでいます。■CY係   K ・ D ベアリング組込用各種ローラ、精密ピン・シャフト類の製造。高精度CNC心なし研削盤、低騒音型ベーンポンプ等の開発・設計・製造東振グループ 株式会社東振精機 株式会社東振テクニカル 株式会社東振〒923-1121 能美市寺井町ハ18番地Tel. 0761-58-5222 URL http://www.tohshin-inc.co.jp ■代 表 者 代表取締役 中村 俊介■設  立 昭和31年  ■従業員数 581名毎日、いろんな人とコミュニケーションをとりながら仕事をするので、みんな仲がいいんです。「誰よりも正確に、一つでも多く造りたい」その気持ちが自分を成長させてくれます。スポーツと同じですね。

元のページ  ../index.html#15

このブックを見る