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キャリアデザイン ?
2015/07/03 01:07

最近よく耳にする”キャリア デザイン”なる言葉。
横文字が大好きな日本人が好みそうな響きだ。
どんな意味か、検索してみた。
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キャリアデザインとは、
自分自身の職業人生、キャリアについて、
自らが主体となって構想し、実現していくことをいいます。
キャリアデザインでは、
自分の経験やスキル、ありたい将来像についてを考慮しながら、
自らの持つ能力を活かすための仕事、職務の形成を進めていきます。
キャリアデザインの過程においては、
転職や職務の異動、職務内容のさらなる高度化などを図りながら、
ありたい将来像へと近づけていきます。
キャリアデザインは、
近年ビジネスパーソンの間でも意識されるようになってきており、
個人が積極的に自らのキャリア形成を担うようになりつつある。
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ようするに、社会で職業経験を積んで、一定の技量や能力を身に
つけたキャリアパーソンが、自己実現のためのステップアップを目指し、
新たな可能性をひらくために、自分の人生を建設的に再考するという
意味だと理解する。
しかし最近は、働いたこともない学生や、社会経験の乏しいモラトリアムな
若者が ”自分探し”をするための指針として、この言葉を用いるケースも
多いように思える。
「夢を持つこと」、「将来、自分がなりたいものを見つける」といった言葉は
正当で、人生における不文律のように唱えられる。
それが人生において大切なことであると、大人は定義づけてしまうけど、
夢を描き難い今の時代においては、あまりにも無責任なものの言い方に
聞こえてしまう。
私は仕事を通して、今迄800人くらいにインタビューしてきた。
その感覚から言うと、若い時から夢を抱いてその職業に就いたという人は
恐らく、10人もいなかったと思う。
“たまたま”何かの縁でその仕事に就いたという人が、実はほとんどなのだ。
「自分の好きなこと、やりたかったことを職業にしなかったからこそ、
続けられた」という人もとても多かった。
しかし、 インタビューで出会った人達は、何れもその業界の第一線で活躍
されているエキスパート達。
自分の仕事を誇りに思い、中には「これが自分の天職だ!」と言い切る人も
何人もいた。
もちろん、最初からそうではなかった。
やったこともない仕事。失敗の連続。辛いし、怒られるし、
「自分には向いていないのかも…」と悩み、眠れない日々・・・。
でも、それを乗り越えた時から、仕事が楽しいと感じられるようになる。
自信がつき、人からも期待されるようになる。
目標や夢というのは、そこからハッキリと見えてくるものなのだ。
いくら、将来の夢を絵に描いたところで、その通りにはならない。
世の中は不合理であり、思い通りにならないのが人生。だから面白い。
若い人達には、社会に出たら、まず自分自身の基礎をつくることを
教えるべきだと思う。それは能力やスキルを身につけることだけで
はなく、仕事に対する心構えや人との接し方。理不尽なことも受け
入れる寛容さ、そして忍耐だ。
むしろ、社会に出て最初に就く仕事は、自分のやりたくない分野
であったり、悪条件の仕事の方がいいとさえ思う。その方が、
強靭な礎をつくることが出来る。
どんなに素晴らしいデザインを描いても、しっかりとした土台が
無ければ、決して実現出来ないのだから。
響きのいい言葉はひとり歩きしてしまう。
上っ面なイメージだけで誤用してしまうと、かえって若者たちを
臆病にさせてしまうのではないかと危惧する。