今年、8月2日に石川で開催された「第13回若年者ものづくり競技大会」は、
職業能力を養成する学校や工業高校の生徒など、20歳以下の若者がその技能
を競う全国大会。
旋盤・フライス盤など金属加工から、機械製図・ウエブデザインなどPCを
使った設計技術、電子回路組立・ロボットソフト組込みなど産業機械の組立
技術、電気工事・建築大工・造園など建築に関わるものなど、様々な職種
技能における競技が県産業展示館をメイン会場にして繰り広げられた。
競技がスタートし、全国から集まった選手が一斉に課題に取組む中、機械製図
(CAD)の会場の片隅で一人隠れるように、床に図面とノートパソコンを置いて
黙々と作業に取り組む学生の姿があった。選手ではないのは明らかだが、彼が
やっていたのは、その様子からして選手たちと同じ機械製図。周りには引率の
先生らしき人もいない。彼がどこから来た生徒かは知らないが、恐らく同じ会場、
同じ空気の中、同じ時間で競技課題に取り組むことが、何か彼自身の目的を果た
すための行動だったのだということを察した。本当はこの競技に出場するはず
だったのか、来年に向けての予行演習なのか、実際のところはわからないが、
床に伏すような無理な体勢で長い時間、一心不乱に取組む彼の姿勢に感動した。
尚、機械製図(CAD)の競技では、石川県代表の山本選手が銅賞に入賞した。