さくらノートのページにあるコラムには、中学・高校の後輩たちに向けたメッセージが書かれています。
間もなく発行となる「石川県版 33号」の中に、「縁の下の力持ち」という言葉が好きだという野澤さんの話が載っています。
高校時代に空手部に入部した野澤さんは、高2の冬に腰を痛めてしまいます。
コーチから、「選手として活躍することだけが部活じゃない。選手たちを陰でサポートする仕事にも素晴らしい世界があるぞ!」と言われ、マネージャーになりました。
ある時、高校の体験入学にやってきた中学生の中に、車いすの生徒がいました。
「トイレはどこですか?」と聞かれ、たまたま近くにいた空手部の仲間が彼をトイレまで案内し、その道すがら空手の話をしたそうです。
春になり、車いすの生徒が高校に入学してきました。そして彼は空手部に入部しました。もちろん、みんなと同じように練習はできません。彼は「マネージャーをやりたい」と空手部に入部してきたのでした。
マネージャーが二人になってしばらく経ったある日、指導に来られた空手の先生が、足が不自由な後輩マネージャーの献身的な姿を見て声を掛けました。
「“車いす空手”というのもあるぞ!」
それから1年が経ち、野澤さんは高校を卒業します。その後、車いすの後輩マネージャーはどうなったでしょう?
なんと彼は、スコットランドで開催された「第4回世界車椅子空手道選手権大会」で世界チャンピオンになっていました。
「“縁の下”にも素晴らしい世界がある」それを車いすの後輩が教えてくれた。と話してくれた野澤さんでした。