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大学進学率が過去最高
2025/06/29 05:06

高校授業料が実質無償化されて教育費の負担が軽くなり、推薦入試や総合型選抜の拡大によって大学進学がしやすくなったこともあり、令和6年度の大学進学率は石川県62.7%、富山県58.4%で過去最高となりました。専門学校なども含めると、高校生の約8割が進学します。成人年齢は18歳に下がっても、そこで社会人になる人は少ないというのが現状です。進学率が上がれば、地元を離れる人が増えるので、地方都市における若手人材の確保は今後ますます難しくなっていきます。

地域経済の将来を考えると、抜本的な政策が必要です。高度経済成長期に富山県で実施された「三・七体制」では、普通科高校と実業系高校の割合を3:7に決めましたが、結局は長く続きませんでした。進学志向が高止まりしている現状を踏まえると、高校卒業後の県外流出を防ぐには、地元の大学に進学する人を増やすことも方法の一つです。進学校の高校生の多くが国公立大学を目指します。他県に流れるくらいなら、地元出身者に限って推薦枠を増やし、オールラウンドに学部を設けることが現実的な解決策だと思います。

それと合わせて必要なのが、「郷土愛的キャリア教育」。義務教育の小・中学校では将来の職業を見通した進路選択ができるよう、キャリア教育に力を入れていますが、高校は学校や先生によってかなり温度差があります。中学校であたり前に配布されていた「さくらノート」を進学校の生徒にも引き続き読んでもらいたいとスタートしたのが、「さくらノートPROCEED」。”PROCEED”は、「前に進める」という意味です。進学はゴールではありません。その前途にある様々な人生の歩き方(大人の背中)を見せることで、未来を担う若い人たちが、この国のために将来どんな役割を担えるのか、立ち止まってよく考えてほしいと願っています。