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プーチン大統領
2010/05/13 12:05

 元NHKのモスクワ支局長だったジャーナリスト、小林 和男さんの講演を
聞いてきました。テーマは「冷戦終結20年後の世界と日本」
 アメリカ、ロシア、ヨーロッパ、イスラム国家との相関関係。テロが終わら
ない歴史的背景。国際的密約の内容にいたるまで、目からウロコが100枚
ぐらい落ちました。
 一番衝撃を感じたのが、ロシアのプーチン大統領の話。
 小柄ながらも、鍛えられた肉体と強面な風貌で、冷酷なイメージが漂う
プーチン大統領。
 しかし、ロシア国内では、70%以上の支持率と圧倒的な人気を誇っている。
その秘密は何なのか?実際はどういう人物なのか、小林さんは本人に直接
会って、是非それを確かめてみたいと、ある酒の席で何気に知人に話した
ところ、なんと1時間だけ会うチャンスが巡ってきた。
 大統領の官邸?を案内してくれ、非常に感動したという。
そこには、道場がつくられており、ある日本人の銅像が鎮座していた。
それはプーチン大統領が尊敬してやまない、柔道の創始者「嘉納 治五郎」
の銅像であった。
 『今の私があるのは、柔道のおかげ。私は柔道によって救われました。』
プーチン大統領はそう言ったそうです。
 さらにプーチンは、こうつけ加えました。
 『柔道とは日本の××そのものです』
  
 「今、日本では消えてなくなり、言わなくなった漢字2文字の言葉です。
さて、何だと思いますか?」
 小林さんは会場の数人に回答を求めましたが、すべてハズレでした。
 「答えを言いましょう。それは “修身”です」
それを聞いた瞬間、思わず鳥肌が立ちました。
 この話は、オリンピック柔道金メダリストの山下泰裕さんも、ホームページ
の中で、プーチン大統領と会見した時、同じ話を聞いたと言っているので、ほぼ
間違いない事実だろう。
 「修身教育」を受けた日本人というのは、いわゆる「昭和ひとケタ生まれ」。
現在80歳前後のお年寄りたちまでです。それ以降の日本人は、そういった
ものが存在したことはおろか、名前さえも知らない人の方が多い。
 かつて、日本人の心の中に染みついていた“修身”が、戦後日本人から剥奪され、
一方で、その価値を外国人が認め、実際に学んでいるのです。
 かつてアメリカはレーガン政権時代、経済が落ち込み、犯罪が増え、学校が荒廃し、
危機的状況にありました。その時にまず着手したのが教育改革でした。当時、教育
長官だったウィリアム・J・ベネットは、道徳読本「The Book of Virtues」という本を
刊行しました。
 その内容は、いくつもの寓話や物語によって、行動規範となる10の徳目について
示したもので、1994年から1995年にかけてアメリカで250万部を売り上げ、最終的
には3000万部を超えるベストセラーになったといいます。
 実は、この本のモデルとなっているのが戦前の日本の修身教科書なのです。
アメリカだけでなく、サッチャー首相の時のイギリスやドイツでも、これを真似て、
道徳教育を行っているという話はほとんど知られていません。
 最後に小林さんが言われたこと。
 「良い日本を子供たちに残していくためには、やはり政治を正さなければならない。
 日本人は交渉ベタだと言われるが、思想や精神がないのが原因。なんでも金で解決
 しようとする「乞食根性」が政治を貧困なものにしている。
 “修身”や“武士道”は日本が本家本物なのだから、本来、その精神を携えて交渉に
 あたれば、きっと相手に通じるはずである。」
 
 残念なことに、日本は“大和魂”まで、売り渡してしまったようだ。
 早くこれを取り戻さねばならない。