「努力は必ず報われるんだなと思いました」。
病気をみごとに克服し、オリンピック代表選手に内定。涙ながらに語った池江璃花子選手のインタビューに、多くの人が感動したことと思います。
池江選手は、
「自分が勝てるのは、ずっと先だと思っていた。だけど、勝つための練習はしっかりやってきた」と語っていました。順位にはこだわらず、やるべきことを全てやって挑んだ結果だったからこそ、素直に出た言葉だと感じました。
努力によって自分の夢を叶えた人の言葉は輝かしく、頑張っている人に勇気を与えてくれます。しかし、努力の甲斐なく、悔し涙を呑む人たちのほうが絶対的に多いのが、スポーツなど勝負の世界。
SNS上では池江選手に賞賛を送りつつも、「努力は本当に報われるのか?」ということについて、いろんな意見が飛び交っていました。
今の時代、若い人の中には、「将来、やりたいことが見つからない。特に夢もなく、何を目指して努力すればいいのかわからない」という人たちもたくさんいます。
そういう人にとっては、「努力しても報われないことのほうが多い」という事実が心地よく、周りがみんなそうだと同調圧力に負けて、芽生えかけた夢もしぼんでしまいます。池江選手の活躍は、多くの人に、ぬるま湯から抜け出す勇気を与えてくれたと思います。
そういえば、かつて私が某外資系生命保険会社で働いていた時、‘世界一保険を売る男’と言われたTさんという伝説の生保マンが先輩にいらっしゃいました。
夜、残業していた時、Tさんのブースをこっそり覗いたことがあったのですが、机の上にはセロハンテープで貼り付けられた紙があって、そこには大きく手書きである言葉が書いてありました。
その言葉は、『ダメもと』。
報われない努力をどれだけ繰り返すか。それによって努力は報われるのです。