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喜多川 泰さんの講演会
2016/02/21 07:02

「また、必ず会おう」と誰もが言った。
数年前、ある人から、「あなたがやりたいことって、この本に書いてあることだろ?」と
紹介してもらった本のタイトル。
読んでみて、涙が止まらなかった本だ。映画化もされている。
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先日、この本の著者である喜多川泰さんの講演会が金沢で開催され、参加してきた。
講演を聞き終え、自分が目指していることに、さらに確信を得ることができた。
特に感得した話は3つ。
一つは、“無理に夢を持つ必要はない”。
「夢を持たなければダメだ」と言うと、子供たちは無理やりそれを探してくる
んです。なんとなくカッコのいい夢を・・・。
夢がある人は、それに向かっていけばいい。なければ、今、目の前にある
ことに一生懸命になればいい。
私もよく中学高校で話をさせていただく機会があるが、全く同じことを言ってきた。
実際、今まで1000人近い人たちへのインタビューを通して感じたことだからだ。
二つ目は、“仕事とは。働く喜びとは”。
こどもは、「ただやりたいことができれば幸せ」と考える。
「自分の時間を使って、他人を喜ばせることが仕事。その約束を果たすためなら、
たとえ辛くてやりたくないことでも、大人はできるのです」。
子供たちに自分の将来像を描かせることは必要だが、倫理をベースとした勤労観
を抜きにしては意味がないことだ。
三つ目は、“人とのつながり方”。
「現代の子供たちは“ライン”でつながっているように、ヨコの関係が主体。
社会にはタテのつながりもある」。
身近にいる同級生と先輩後輩が、ほぼ自分の世界である中高生にとって、
ヨコのつながりはとても重要で最大の関心事。そしてそこに束縛されている。
自分が生まれた背景には両親が必ずいて、さらに祖父母や多くの先祖たち
がいる。星の数にのぼる先祖の頂点に立って生まれて来たのが自分だと
いうことを理解すれば、目に見えないタテのつながりが見えてくる。
日本の先人達が守ってきたこの国の誇りを、歴史を通して伝えることができる。
講演会の会場は満席だった。人それぞれ、経験や価値観によって、いろんな
受けとめ方をしたと思うが、多くの人たちが「自分のためにこの話をしてくれた」
と感じたに違いない。司会をされていた主催者の女性が冒頭、感極まって言葉
をつまらせたが、その気持ちもよくわかった。