このミョーなスタイルのおじさんの名は　大門三郎
鹿児島県種子島生まれ、神奈川県在住のプロの演歌歌手である。

早朝６：３０　大門三郎さんの話を聞いた。
しかし、なんでこの人、こんなカッコしているのだろう？
会場の誰もがそう思ったに違いない。知っている人を除いては。
目の前の派手な人物は、実は芸能人。鹿児島で有名な演歌歌手だった。
マイクの前に立って最初の10分、自身の生い立ちについて話し始めた大門さん。
ギャグをふんだんに連発し、会場に笑い声が響いた。
しかし、その話を聞くにつれ、笑い声の中にぐっとこみ上げてくる感情を
隠せなかった。
種子島に生まれ、８人兄弟で育った三郎さんは小学校の時、遠足の弁当が
おかずなしの麦飯だけだった。それを知った親友３人が三郎さんを人目に
つかないところに誘い、４人の弁当を均等に４等分して食べたという。
しばらくして、３人の親友の一人が、突然何も告げずにどこかへ引っ越して
行った。その後何十年もの間、行方がわからなかったが、ひょんなことから
音信が取れ、なぜ突然いなくなったのか理由を親友に尋ねた。当時その親友
の家族は、ある事情で兄弟もバラバラになり、親戚に引き取られ、筆舌に言い
つくせない経験をしていたのだった。
メイクをしているので、三郎さんの顔の表情はわからなかったが、涙を必死に
こらえ、それをギャグで吹き飛ばした。
とても重く、深い話でありながら、軽妙な話芸でアッケラカンと語れる人は
そんなにお目にかかったことはない。
話を聞いているほうも、心を揺さぶられっぱなしで、横隔膜が痛くなった。
自ら経験した真実の話というのは人を感動させる。
だから、歌にも魂が宿るのかもしれない。
最後に、大門さんの持ち歌「幸せじゃん」を歌っていただいた。
聞き終わると、とても心が軽くなった。幸せな気分になった。
　　「幸せじゃん」 作詞 大門三郎 作曲 土寺井出世　
2008年6月発売 ウイングジャパン
※土寺井出世（どてらいしゅっせ）は、大門三郎さんのペンネームです
もしも私が生まれなかったら
大地も 花も 山も 川も 谷も 海も 空も
太陽だって知らないはず
生まれたことがこんなに こんなに
素晴らしい と気づいたら
生まれただけでも 生まれただけでも
幸せと思えば 思えば 幸せじゃん
幸せじゃん
どんなお金持ちの人でも 素敵な人も
今日もあしたも不幸だなんて思ってたら
ほんとに不幸になっちゃうかも
前向くことがこんなに こんなに
素晴らしい と気づいたら
前向くだけでも 前向くだけでも
幸せと思えば 思えば 幸せじゃん
幸せじゃん
どんな小さな親切でも 受けたらすぐに
どうもありがとう ありがとうと
口に出して言ってみよう
感謝することがこんなに こんなに
素晴らしい と気づいたら
感謝するだけでも 感謝するだけでも
幸せと思えば 思えば 幸せじゃん
幸せじゃん
どんな辛いことがあっても 望みを捨てず
きっとうまくいく きっと良くなると
心の底から信じてみよう
信じることがこんなに こんなに
素晴らしい と気づいたら
信じるだけでも 信じるだけでも
幸せと思えば 思えば 幸せじゃん
幸せじゃん
もしも私が死んでしまったら
遊びも 旅も 愛も 恋も 歌も 夢も 友も
生きてたことも忘れるかも
生きてることがこんなに こんなに
素晴らしい と気づいたら
生きてるだけでも 生きてるだけでも
幸せと思えば 思えば 幸せじゃん
幸せじゃん
幸せじゃん