日本経済新聞 平成23年2月1日
公立の小中高に担当教員配置を検討
ニート、フリーター対策で文科省 2011/1/30 産経
社会問題化している働く意欲が薄いニートやフリーターの対策として、
文部科学省は小中学校や高校で仕事について学ぶ「キャリア教育」を
本格推進するため、各学校に担当教員の配置を検討していることが29日
分かった。
平成24年度からすべての公立小中学、高校で月2時間以上のキャリア
教育の授業を行うほか、中高では年間5日以上の職場体験やインターン
シップ(就業体験)を実施したい考えだ。文科省は「子供のうちから働く
ことへの意識を養いたい」としている。
キャリア教育では、授業で職場について詳しく教えたり、子供に職場を
体験させるためには企業や職場側の協力が必要。文科省では各学校で担当
教員を指定し、職場体験に協力してくれる企業を探す、地域の社会人や職人
に学校での講義を依頼するなどの業務を担当する。
中学・高校では、生徒の進路や就職指導を行う進路指導主事に担当を兼務
させることを検討。小学校には指導主事はいないため、新たに担当を指定
するという。
キャリア教育は現行でも中高を中心に行われているが、学校側の裁量に
まかされており、職場体験などは実現しにくいのが現状。学校側からは
「企業が協力してくれない」などの声が上がる一方、企業からは「学校から
の働きかけがない」と反論もある。
文科省では、学校で担当教員を決めることで、企業など外部とのパイプ役
となり連携強化を深め、こうした問題点の解消を目指している。
文科省によると、21年度に年間5日以上の職場体験を行っている学校は、
中学校で19.2%。高校では正確な統計がないが、文科省では担当教員の
配置で実施率の向上につなげたいとしている。
文科省は今月中にキャリア教育のための専門家会議を設置。担当教員の
具体的な役割などを議論し、23年度中に指針をまとめる。
厚生労働省の調査では、19年3月の卒業者で就職後3年間に離職した人
の割合は大卒で31%、高卒で40%に達し、フリーターは21年時点で
178万人に上っている。
小中高でもキャリア教育導入 文科省、就業体験も
2011/01/07 共同通信
定職に就かないフリーターの増加などを受けて文部科学省は7日、働く
意味や社会人として必要な知識を伝える「キャリア教育」を小中学校や高校
に本格的に導入する方針を決めた。
教育委員会や企業の関係者らによる専門家会議を近く設置し、インターン
シップ(就業体験)の導入など実践的な授業の在り方や課題を検討する。
早ければ2012年度にもモデル校を選定したい考えだ。
近年、大学で盛んに行われるようになったキャリア教育は、小中高の一部
でも取り組む動きが出ている。中教審で早期導入を求める議論が出たことも
踏まえ、義務教育段階から職業観を育むことに国として本腰を入れることに
した。
キャリア教育に視線
2011/02/05 04:02