若い人の心に響くもの 2020/08/06 06:08 先月7月、復元整備が行われていた金沢城の鼠多門・鼠多門橋が、2年がかりの工事を終え完成した。 以前、この工事の総棟梁を務められた“現代の名工” 佐田 秀造氏にインタビューをさせていただいたことがある。 佐田棟梁は、羽咋高校の建築科を卒業し大工の見習いとなったが、親方の理不尽さに辟易し、1週間で辞めようと思ったという。しかし、母親の悲しむ顔が浮かび、踏みとどまった。その時、兄弟子から言われたのが、 「秀、おくがなら(辞めるなら)今やぞ。もうちょっこ経ったら、おかれんがなるげんぞ!」 ...
緊急事態宣言で気づいたこと 2020/04/13 01:04 日本の緊急事態宣言に対し、発令の遅緩と強制力の弛さが各国からも指摘されています。国家権力の発動に対しては様々な意見があり、慎重になるのは当然ですが、いわゆる“戦後史観”が現在まで尾を引き、過去の犠牲になっているという見方は否めません。コロナウイルスよりも恐ろしいと思うのは、「赤信号でも皆で渡れば怖くない」と言わんばかりに、都合よく個人の権利を主張する人たちが蔓延していることです。 人権は尊重されるべきものですが、“公”についての意識を持ち合わせることが前提だと思います。戦時を賛美するわけではありませんが、かつて国家の存亡...
選択肢は広いほうがいいのか? 2019/12/08 08:12 Beggars can't be choosers.(乞食は選り好みできない) という英語のことわざがある。 日本語のことわざにも「背に腹はかえられない」という言葉があるが、 他に選択できないのであれば、甘んじて受け入れるしかないという状況で 使われる。 たくさんの中から好きなものを選べるほうが、一見幸せだと思えるが、 果たして本当にそうだろうか? 選択できるとなると迷いも生じ、後になって「やっぱり、あっちの方が 良かったかもしれない」と後悔することもある。 一方で、“それしか選べない” という状況であれば諦...
陰に光あり 2019/10/16 06:10 さくらノートのページにあるコラムには、中学・高校の後輩たちに向けたメッセージが書かれています。 間もなく発行となる「石川県版 33号」の中に、「縁の下の力持ち」という言葉が好きだという野澤さんの話が載っています。 高校時代に空手部に入部した野澤さんは、高2の冬に腰を痛めてしまいます。 コーチから、「選手として活躍することだけが部活じゃない。選手たちを陰でサポートする仕事にも素晴らしい世界があるぞ!」と言われ、マネージャーになりました。 ある時、高校の体験入学にやってきた中学生の中に、車いすの生徒がいました。 「ト...
サイレントマジョリティーを信じる 2018/10/05 07:10 先日、石川県のとある施設の方からお手紙をいただいた。 メールの時代に珍しいと思いながら封を開けると、直筆で書かれた 便箋が3枚入っていた。 たまたま手にした「さくらノート」を読んで大変感銘を受け、最新 号も読んでみたいと書店に行って探したけど見つからず、直接購入 できますか?という内容だった。 最近は少なくなったけど、時々このようなお手紙やメールをいただく ことがある。大変ありがたく、心から嬉しく思う。 さくらノートは中学、高校など学校関係に直接配布され、それ以外 では図書館やジョブカフェに置いてあるだけ...